ものづくりで繋がる桐生市と大田区。HANEDA×PiO

昨日より、桐生市議会 経済建設委員会の視察に来ています。1日目は東京都大田区の羽田空港に隣接する羽田イノベーションシティ内にある「HANEDA×PiO」の取り組みについて視察させていただきました。東京都1位の敷地面積を持ち、人口は70万人以上と都内3番目の規模を誇る大田区は昔から町工場が多く立地しており、ものづくりの街として知られます。事業所の数は実に4,200か所であり、その内8割が小規模事業者(従業員9名以下)となっています。大田区のものづくりの特徴として高い技術力と多品種生産が挙げられ、今回の視察の中でも「HANEDA×PiO PARK」内のショーケーシングエリアの展示の中で、その一端を見させていただき、その技術力の高さにたいへん感心させられました。桐生市にも、このように市内の工業製品の技術力を示すための常設展示があったらと感じたところです。

桐生市のものづくりの起点は繊維産業ですが、織機などから派生した機械工業にも強みがあり、大田区との共通する部分が見られます。そのような経緯から、大田工業連合会と桐生機械工業連合会では「事業継続計画 (BCP) 強化に向けた相互応援協定」を結んでおり、今後、HANEDA×PiOを活かした連携事業等が実施できないかについても議論をさせていただき、前向きな反応をいただきました。ぜひとも実現をしていけたらと思います。

HANEDA×PiOは大田区役所が100%出資する大田区産業振興協会が運営している施設であり、社会課題の解決や新規事業創出に意欲のある企業が入居するテナントゾーンと、交流からイノベーションを創出するPiO PARK(交流空間ゾーン)から構成されています。

大田区産業振興協会が中心となって運営するPiO PARKはコワーキングスペースや、イベントスペース、様々な技術・製品を展示したショーケーシングエリアなどで構成されており、創業スクールから起業後の登記、マッチング、実証実験などの一連の流れがワンストップで受けられることが大きな魅力です。ものづくり系の起業に対しては、大田区内に6カ所の工場アパートも用意されており、ものづくりに特化した創業支援に力を入れている姿勢を強く感じ取ることができました。

桐生市も創業支援に力を入れており、コワーキングスペースやシェアオフィス、インキュベーションオフィスなどの環境や相談体制は整っていますが、ものづくり系の起業に対する支援としては特化した取り組みがないのが現状だと思います。大田区同様に、桐生市もものづくりのまちとして、ものづくりに特化した企業支援・イノベーションの創出の機能をより強化していくことが必要ではないかと感じた次第です。

まずは大田工業連合会と桐生機械工業連合会の連携を起点としながら、PiO PARKにて定期的に開催されている「超専門技術ミニ展示会」への桐生市内企業の参加や、PiO PARKのイベントスペースを活用した市内企業による展示会の開催など、ものづくりのまちである桐生市と大田区とが連携した企画を実施できるよう、その実現可能性について探っていきたいと思います。

最後に、お忙しい中ご対応をいただきました大田区産業振興協会の皆様に心より感謝申し上げます。ありがとうございました。