報道の件について

本日午後、桐生市役所新庁舎工事の入札妨害疑いとして、群馬県議ら4名が逮捕されるというニュースが入ってきました。私自身、報道で知ったことが全てであり、まだ状況が掴めておりません。

新本庁舎の入札に当たっては総合評価落札方式という新しい方式が採用されており、入札価格で差がつかない特殊な落札方式でした。入札価格以外の要素を数値化した技術評価点を導入することで、確保価格以外に競争参加者の能力等を審査・評価しその結果を合わせて契約の相手方を決定するという方式となります。極端な価格競争を防ぎ品質を保つことを期待して導入が進められてきた方式ですが、評価点の組み立て方如何で特定の入札者に対して有利・不利になるようなことを防ぐことが運用面での重要なポイントとも言えます。

そういった視点の中で、私は公共施設のあり方等調査特別委員会の委員として、ことある毎に落札者による施工状況の報告に対し評価点の各項目の達成がなされているのか繰り返し確認をさせていただいてきました。

今回の件がどの部分に対する指摘なのか今のところ全く情報がなく、これ以上を語ることはできませんが、報道が事実であれば私もチェック機関でもある市議会議員の一員として大きな責任を感じている次第です。しかるべき機会を通じて、全容が解明されていくことを強く望みます。

参考までに、令和4年 第4回定例会における「桐生市 新本庁舎 建設工事 請負契約の締結について」の議案に対する会派としての討論を貼らせていただきます。

※以下、新本庁舎の契約議案に対する討論の本文です。

本議案は、契約金額 68億7,195万5,640円の新本庁舎 建設工事の請負契約を締結するに当たり、議会の議決を求めるものです。桐生市にとって何十年に一度という規模の大型の公共工事の発注ということを鑑みる中で、市民の利益に立った透明性のある入札業務の執行が求められると言えます。

まず、入札方式の是非でありますが、今回、総合評価落札方式を採用した理由について、公平性、透明性を確保する観点であったということを本会議、及び委員会における議論の中で確認をさせていただきました。この方式は、入札者が示す価格と技術提案の内容を総合的に評価し、落札者を決定する落札方式であり、桐生市が発注者として今回の評価点の中で、地域経済への貢献や、地域活性化を重視したことは、地元事業者の育成や、地域経済への波及効果の最大化の観点において高く評価するものであります。ただし、これまでに総合評価落札方式を採用した群馬県内の公共施設工事の中で、本件は最大規模の入札案件であることや、入札方式の特性によるものとはいえ2者の入札金額が同額となったことなどについて、新しい方式であるからこそ、より丁寧に説明をしていく必要があると考えております。

総合評価落札方式においては「何よりも納得されやすい客観的な指標に基づく、公正で公明な運用が求められること」また「評価項目の選定や技術提案の最終判定の基準などに関して、的確に説明すること」が重要視されております。これらの原則に沿って適切に入札が実施され、施工を監督し、履行責任を求めていくといった発注者としての責任を最大限果たしていただくことを強く求めるところです。

最後になりますが、群馬県内では入札を巡る不祥事が相次いでおり、世間からは厳しい目を向けられているとともに、新本庁舎建設は市民の皆様からの関心も非常に高い事業でありますので、入札をはじめとする公共工事発注における手続きにおいて、不正のない、公正な入札が行われているということを、各段階において積極的に発信いただきますようお願いを申し上げる次第です。市民に長く愛される新本庁舎整備となることを期待し、会派を代表しての賛成討論とさせていただきます。