細部まで作り込まれた“おもてなし”の心。須藤邸

10月1日に堤町にある国の登録有形文化財「須藤邸」へ寄らせていただきました。毎月第一土曜日にオープンサロンとして公開されています。

須藤家住宅は、本町5丁目の桐生初の近代的RC造ビルである金善ビル(大正10年頃)を建設したことで知られる金善織物会社の事務所兼居宅として建築されたもので、明治から大正にかけて複数回の増改築をされて現在の姿になっています。昭和30年に須藤寿作氏が購入、令和3年4月にミタカホールディングス株式会社に引き継がれ、テクスト桐生株式会社とともに利活用が進められています。

これまでも須藤邸の外観を見る機会はありましたが、改めて門の前に立つとその存在感に圧倒されます。山間の閑静な住宅地に突如現れる特徴的な玄関ポーチは、歴史の重厚さと丸窓のモダンさを併せ持った唯一無二の景観です。建物内もステンドガラスから装飾の一つ一つまで作り込まれており、この家が単なる居宅ではなく、お客様を迎えるための“おもてなし”を尽くした建物であるということは言うまでもありません。見れば見るほど発見があり、時間を忘れて楽しませていただきました。桐生にこのような建物が残っていることに、計り知れない価値を感じずにはいられません。

今回は時間の関係で利用しませんでしたが、館内にはカフェスペースもあり、須藤邸を来訪したお客様になった気分で珈琲をいただくのも贅沢な時間となりそうです。毎月第一土曜日に一般公開をしていますので、ぜひ気軽に足をお運びいただけたらと思います。

「須藤邸」オープンサロン

開催日 毎月第一土曜日

開館時間 am10:00〜pm4:00

入館料 300円

住所 群馬県桐生市堤町1-14-32