街活性化に特効薬はなし。継続こそ力。全国商店街青年部指導者研修会

本日は「全国商店街青年部指導者研修会」と「都道府振連職員講習会」の合同開催となる「商店街創生セミナー」が大阪府堺市にて開催され、群馬県の青年部長として参加させていただきました。北海道から沖縄まで全国から100名を超える参加者が集まる規模の会はコロナ禍前以来となります。


大阪府振連の千田 理事長の挨拶の中では「難波ではインバウンドが回復しコロナ禍前を超える勢いだ」との紹介があるなど、全体を通じて大阪の勢いを感じる研修内容であったように感じます。2年後に控えた「2025年日本国際博覧会(大阪・関西万博)について」から始まり、「大阪府の商店街施策について」ではポータルサイトや冊子を作成するなど大阪府全体で商店街の発信をされているのが印象的でした。個別の取り組みとしては「大阪ミナミエリアを中心としたXR化(クロスリアリティ)デジタルマップの活用とVR商店街の構築」として千日前道具屋筋商店街によるメタバース空間を活用した取り組み事例を共有。リアルな共助の場であるはずの商店街のバーチャル化の是非はあろうかと思いますが、コロナ禍が商店街の在り方の岐路になっていることは間違いない事実です。今後の展開としては、メタバース側で来店があったらリアル店舗のチャイムが鳴り店主が接客に行く、といったリアルとバーチャルの融合した仕組みも検討しているそうです。どのように進化していくのか期待しています。

ちなみに、大阪府内の商店街数は956とのことで、群馬県と比較すると桁違いの数。それだけ商店街間の競争も激しいのかも知れませんが、商人の街・大阪の実力はまだまだ健在のようです。
後半では「堺 産業の発展と戦略」と題して開催地からの報告からスタート。商人の街として発展した堺から全国に承認が移り住んだことが全国に堺という地名がある由縁。世界遺産 百舌鳥・古市古墳群(仁徳天皇陵古墳)のある街としても知られます。続けて「堺東エリアのまちづくりの取り組み」について、堺まちクリエイト株式会社 矢本憲久 代表より報告。矢本代表は堺東駅前商店街振興組合の理事長も務めています。堺東駅前には8つの商店街があり連合会を組織しているそうです。商店街での毎月の清掃活動などをきっかけに40代で理事長に就任し、バルやフードフェスなど次々と立ち上げ挑戦してきた経緯や苦労をお話しいただきました。「街活性化の成功事例は全て偶然であり、様々な条件が重なることでしか成功しない。諦めずに続けていくことが大切である。」という言葉が印象的でした。

成功事例を真似しても必ずしも上手くいくわけではありませんが、何もやらなければ何も起きません。目的を明確にしながら、できることを諦めずに地道に続けていく。そこから我が町の成功事例が生まれてくるのだと思います。かなりのボリュームがあった今回の研修会。少しでもまちづくりへの知見を持ち帰って群馬の商店街に共有をしていければと思います。