市内公共施設視察・調査を実施
24日、桐生市議会 公共施設のあり方等調査特別委員会において、桐生市内の公共施設3施設についての視察・調査を実施しました。本特別委員会では、現在桐生市が公共施設等総合管理計画に基づき公共施設総量の縮減の個別計画の策定を進めていることを踏まえ、公共施設の適正なあり方について調査研究を行っています。
初めての視察となった今回の対象施設は桐生市斎場、境野水処理センター、桐生市清掃センターとなります。3施設に共有するのは、平成17年の桐生市と新里村・黒保根村の合併以前から運営されている施設であり、建設当時において桐生市と6カ町村の広域行政を前提に整備をされたという経緯があることです。その後、桐生広域の7市町村は桐生市、みどり市に別れて合併し、藪塚本町が太田市へと合併したことで桐生広域は3つの市に別れる結果となりました。その後、3施設は現在桐生市の所有・運営となっており、みどり市が使用する分は、使用量・回数などの数値を基準に経費を総量割で案分して共同運営を行っています。
個々の施設の視察・調査の結果、把握できたポイントを以下に列記させていただきます。
【桐生市斎場】
・開設から35年以上が経過したことで、多くの施設が老朽化しており、毎年多額の修繕費用が掛かっている。
・建物の耐用年数は50年を目安としており、耐震としても問題ない状況となっている。
・火葬件数は年間約2,500名で推移しており、今後20年間は同等の火葬需要が見込まれている。火葬炉については同規模を維持することが求められる。
・葬祭棟の需要としては平成30年において、年間利用数153件と低迷している。桐生市、みどり市共に、民間の葬祭施設が充実しており、葬祭ホールは今後の再整備の中で整理・縮小していくのが望ましいとの印象を受けた。
【境野水処理センター(し尿処理施設)】
・建設から17年と、合併前に桐生広域で整備をした施設としては最も新しい施設である。
・現在は桐生市とみどり市の共同事業である。
・同じ境野水処理センターの中でも、下水道処理施設は桐生市専用の施設となっており、全く別の運営体制となっている。
・施設の所有と管理は桐生市が請け負っているが、利用割合(し尿の搬入量:平成30年度)は桐生市38%、みどり市62%と逆転しており、今後もみどり市の使用割合が増加することが予想される。
・桐生市の所有管理でありながら、主な需要はみどり市にあるというねじれた状態であり、市外からの搬入が多い施設という観点では、し尿の搬入車両の通行などで周辺環境の影響があることから、周辺対策に対しては利用量の多いみどり市にも関わっていただきながら進めていく必要がある。
・今後、みどり市の利用割合が7割を超えるような状況になった場合、施設の管理・所有そのものを移管することも一つの選択肢ではないかという印象を得た。
【桐生市清掃センター】
・ごみ焼却施設、粗大ごみ処理施設、リサイクルセンター、最終処分場を併設した全国でも珍しい複合施設となっている。
・焼却炉の延命化の実施により、令和13年までの安定稼働が可能となった。
・現在の最終処分場は、嵩上げにより令和21年までの需要に対応できる計画となっている。
・ごみの焼却により発電をしており、施設内、及びカリビアンビーチ(新里温水プール)に電源供給している他、毎年1憶7千万円以上の売電収入がある。
・ごみの減量化の影響で焼却量が減っており、運転効率が低下している。市外のごみの受入により2炉運転(150t/日)以上を維持し、委託料や売電収入による財源を確保することにより、経費の削減に努めている。尚、市外から搬入されたごみの焼却灰は全量持ち帰りとなっており、最終処分場の容量には影響しない。
・ごみの焼却量が増えることで発電量が増え、二酸化炭素排出量ベースで環境負荷が低減される効果がある。
以上、今回の視察・調査で確認できたことの要点をまとめさせていただきました。
来月には2回目の視察を予定しており、未利用となっている市有施設を中心に調査をさせていただく予定です。公共施設のあり方等調査特別委員会では、今後の視察結果も踏まえる中で最終的な調査の結果をまとめ、適切な公共施設のあり方を市長に提言していく予定です。