水平な関係での助け合い

あいとうふくしモール

本日は全国若手市議会議員の会の研修会で東近江市へ。「あいとうふくしモール」の取り組みを視察させていただきました。ふくしモールという名前を聞いて、福祉施設が集まった複合施設かな?と感じていたのですが、半分あっているようで、全然違うものです。実際にこの取り組みの象徴的な施設として「モール」が確かに存在しています。「あいとうふくしモール」は、地元のお母さんたちが働くレストラン、デーサービス&訪問看護ステーション、障がい者就労継続支援B型作業所兼Caféの3つの建物で構成されており、「あいとう」は合併前の旧町名とのことです。

あいとうふくしモール

3施設それぞれの運営主体はバラバラですが「暮らしを支えるいろんなことに対応できる場」を作るという、共通の意思のもとで福祉モール構想を立ち上げ、市の補助金等を活用して完成に至ったとのことです。これだけでも十分凄いのですが「あいとうふくしモール」の凄さはここからです。まず、エネルギーの地産地消を実現するためソーラー発電の導入と、障がい者の仕事づくりとして間伐を実施して薪を生産。薪はモール内の暖房としてだけでなく販売して収益源にもなっています。更に、モールに集う人的資源を活用して「ほんなら堂(Do)」の取り組みをスタート。助けが必要な人に「ほんなら、こんなことできるけど、どう?」といった水平な関係で助け合える仕組みを作りました。買い物や草刈など、独居高齢者等が悩んでいる暮らしのちょっとした困りごとをみんなの力で解決を図っています。お手伝いは30分500円、1時間1,000円で、現在は手伝う側、手伝ってもらう側ともに25名程度の登録があるそうです。この助け合いの仕組みは、高齢者だけでなく、引きこもりの方などに仕事を生み、居場所を提供することにも繋がっており、地域のみんながwin-winになれる好循環が構築されています。

ほんなら堂

現在では、あいとうふくしモールにほど近い民家を譲り受け「ほんなら堂」として活動拠点・寄合の場・居場所・仕事場など、様々な形で活用され、進化を続けています。

あいとうふくしモール

少子高齢化、核家族化、認知症の増加、独居高齢者の増加などは、どの地方都市でも直面している問題です。行政で全ての対応をしていくのは難しく、最終的には地域での見守りに頼っていかざるを得ません。顔が見える関係を築き、水平の関係で支えあうという「あいとうふくしモール」の取り組みは、色んな地域で目指してきたけどなかなかたどり着かなかった一つの答えのように感じました。これからの日本に必要な価値観がいっぱい詰まった取り組み、ぜひこの価値観を桐生市にも活かしていきたいと思います。