数字見える政策説明を。桐生市議会 予算委員会

3月4日から6日までの3日間にわたり桐生市議会予算特別委員会が開催され、令和7年度当初予算(一般会計 約508億円、特別会計 約283億2千万円、企業会計 約94億4千万円)の審議が行われました。私も委員として参加させてていただきましたので、一部抜粋してご報告をさせていただきます。

まず、市役所新本庁舎整備に伴う水道光熱費などのランニングコストの削減効果について質疑をさせていただきました。予算上では2300万円減、個別の項目としてはLED化などの効果により2200万円減、ガス代が500万円減などの効果がある一方で、メンテナンス費が増加した設備もあるとのことでした。私からは、新本庁舎の整備と連動して整備を行った桐生市教育センターや水道局の整備も含めた一連の公共施設整備において多額の費用が発生していることから、全体としてどの程度ランニングコストが低減できたのかを試算してその効果を市民に発信して頂きたい旨の要望をさせていただきました。なお、このやり取りは3月5日の桐生タイムスにも掲載されておりますのでぜひご覧ください。

続いて新規事業であるMAYU駅間シャトル実証運行についてですが、路線バスが乗り入れできない西桐生駅も含めて、西桐生駅~桐生駅~新桐生駅を途中の停留所を設けずに平日休日問わず一日最大7往復することを計画しているとのこと。ぜひ実証実験で終わらせずにMAYUを公共交通と位置付けた恒久的な運用を目指して攻めのチャレンジを行っていただきたいと思います。その他、観光事業におけるMAYUの活用についても、民間主導で運行されている第一土曜日の運航も含め、民間やイベントなどと連携した運行についてご検討していただくようお願いをさせていただきました。

次に行政評価に関連して行政経営推進事業について確認。令和7年度に向けてこれまでの事務事業総合評価がどのように反映されているのかを質疑させていただきました。令和6年度においては59事業を対象とし、最終的には19事業においてデジタル機器などの活用等により年間600時間の業務削減に繋がったそうです。桐生市行政評価条例は議員提出として初めて出来上がった条例であり、その実効性の担保について引き続き注視していきたいと思います。

新里町鶴ヶ谷の廃棄物の不法投棄問題については、周辺の環境モニタリングについてや、問題解決に向けた群馬県との連携状況を確認。まだ具体的な解決策を見い出すまでには至っておりませんが、毎週一回のパトロールや県との連絡調整を継続しており、抜本的な解決に向けたアクションはしっかり継続していただいていることを確認いたしました。引き続き解決に取り組んで参ります。

長寿センター等事業については、その利用状況や今後の在り方について議論をさせていただきました。長寿センター等は桐生市内に7カ所設置されている高齢者の福祉増進、健康づくりなどを目指した入浴機能を備えた施設です。令和6年4~12月の実績で述べ利用人数が約2万人、実人数が約582人とのことでした。つまりは、単純に実人数を施設数の7カ所で割ると、日常的に利用している方が1施設当たり約83人という結果になります。令和6年度の桐生市の高齢者人口は(65歳以上)は38,224人なので利用率は1.5%ほどとなります。長寿センター等事業費は令和7年度で1億215万3千円。一人当たりのコストは単純計算で17万5,520円です。桐生市内には銭湯や日帰り入浴施設などの民間入浴施設が多数ありますが、その経営は燃料費の増加などにより容易ではありません。可能な限り民間施設に委託を行い、空白ができてしまう地域においては長寿センター等の廃止・集約を図ることで大幅に経費が削減できるのではないでしょうか。

ヤングケアラーの支援については昨年度から新設された子育て世帯訪問支援事業について質疑いたしました。同事業はヤングケアラーがいる家庭等の支援が必要な家庭を支援員が訪問し家事や育児などの支援を行うものです。相談対応を基に個別にご提案している事業とのことで、オープンに周知していないということもあり、令和6年度の利用は0件。しかしながら、民生委員の皆様など支援する側も含めてこの仕組みを広く周知することで潜在的な需要を引き出し、本当に支援必要としている方に情報が届いていくのではないかと思います。委員会の議論の中では同事業の今後の周知の見直しについて提案をさせていただきました。なお、桐生市として現状把握できているヤングケアラーは3名とのことです。

農業振興については新規就農や新たな取り組みへの挑戦、生産性の向上など、若手の就農者が攻めの姿勢で農業に挑戦する際に役立つ支援策という観点で各種補助金の内容について確認してさせていただきました。現在、意欲ある若手就農者が作付面積を拡大している状況にあると認識しています。農家全体の高齢化により耕作ができない農家が増えつつある中、それらを受け持つ若手の農家さんの力が耕作放棄地を生まないためにも重要な役割を担っていますが、若手が少ない人数で広い面積を受け持っている現状を鑑みる中で、できる限り負担を減らし、生産性が向上させることができるよう、あらゆる支援策を通じて具体的な支援に繋げていただくことを要望させていただきました。

最後に新里町内の体育施設整備についてです。令和7年度においては新里社会体育館施設、新里卓球場、新里剣道場、新里総合グラウンドの4施設について改修工事がそれぞれ計上されています。特に社会体育館においては屋根の補修やトイレの洋式化に加え、住民の皆様から強い要望があった空調設備の導入が決定いたしました。私はこれまで災害時の避難所としての活用も踏まえた社会体育館への空調設備の早期整備を提案してきたことから、この度の決定はたいへんありがたく感じている次第です。その他、総合グラウンドにおいては築50年を超える2カ所の公衆トイレを南側に集約して新築。多目的トイレも合わせて整備される計画です。4施設を合わせた整備費用は約7億715万6千円。各事業には令和7年度が最終年度となる合併特例債(元利償還金の7割が普通交付税措置)が活用されることから、市の負担を抑えながらの整備が可能です。まさにラストチャンスと言えるタイミングで新里町内の体育施設に対して大規模な整備をご英断いただいたことに重ねて感謝申し上げます。

以上の、駆け足で議論させていただいた内容を共有させていただきました。討論・採決に向けてしっかりと内容を精査して後半議会に臨んでいきたいと思います。