子ども達がありのままでいられる場所。川崎市子ども夢パーク

7月23日、関東若手議員の会 総会・研修会の2日目に「川崎市子ども夢パーク」で開催された視察・研修に参加させていただきました。テーマは「川崎市子ども夢パーク フリースペースえんの取り組み」についてとなります。講師は日本初の「子どもの権利に関する条例」の制定に関わったNPO法人フリースペースたまりばの西野博之 理事長です。

川崎市では「子どもの権利に関する条例」を2001年に全国に先駆けて施行し、2003年に子ども夢パークをオープンさせました。敷地面積はおよそ1万㎡で整備費用は約7億円と、150万人の人口を有する政令指定都市である川崎市の施設としては驚くほど少ない整備費用です。

夢パークは朝9時から夜9時まで毎日12時間オープンしており、子ども達が自由に遊ぶことができます。年間の利用者は実に7万人。でも、夢パークには最新の遊具も、人気のアトラクションもありません。敷地の中央はプレーパークと呼ばれる「禁止」の看板をもたない遊び場が広がり、火・水・土・工具が自由に使え、けがとお弁当は自分持ちという自己責任の世界。穴掘り放題、水撒き放題、道具使い放題、何をしても怒られることはありません。子ども達には「リスク」があるかわりに、釘が出ているなどの管理不足などによる「ハザード」は徹底的に排除するための努力が行われていることも特筆すべき点。不慮の事故は防ぎつつも、子ども達は失敗したりけがをしたりといった経験から危険を予知する力や回避する力を育んでいくのです。

そして、夢パークには「フリースペースえん」という不登校の居場所も併設されています。不登校の子どもたちは「学校が嫌いなわけではない」という西野さんの言葉が印象的でした。子ども達は学校が安全で安心して、楽しく学べるなら行きたいと思っている。おとなが押し付けるのではなく子どもに寄りそうこと、いま目の前の子どもの「ありのまま」をしっかりと受けとめることが大切である。

毎日12時間開いていて、いつ来てもいつ帰ってもいい「夢パーク」という存在が川崎市の子ども達にもたらしているポジティブな影響の大きさを痛感し、この価値観をどのように桐生市にも持ち帰ることができるだろうかと強く感じた次第です。

地方であれば泥に触ったり、木に登ったり、水に飛び込んだりできる環境はいくらでもあります。いや、私たちが子どもの頃には確かにありました。でも、今の時代に本当に子ども達が好き勝手にそれができる場所ってあるだろうかと考えると、かなり難しいと思います。大都会・川崎市のど真ん中でそれができる環境を作り上げたことのすごさを感じるとともに、本来なら地方こそこの価値を提供できるはずではないだろうかとも感じるところです。

私にとっては不登校の問題も非常に関心の高いテーマ。今回は西野理事長の本も2冊購入させていただいたので、更に学びを深めたうえで桐生市への落とし込み方について思案をしていきたいと思います。