一つの自治体として気候変動に向き合う。関東若手議員の会 公式研修in千葉(その①)

昨日は千葉県佐倉市にて開催された関東若手議員の会 公式研修に参加。佐倉市は千葉県北西部にある約17万人のベットタウンです。といっても、面積約100㎢の内、市街化調整区域が80㎢となっているなど自然豊かな環境が残っているほか、城下町としての歴史を今に受け継ぐ街並みが残り、国立歴史民俗博物館やDIC川村記念美術館が立地するなど文化度も高い街という印象を受けます。

研修1つ目は「地域気候変動適応センター」設置について。佐倉市では昭和40~50年代に年間約5千人の社会増があったことから北部にある水源の印旛沼の水質が悪化して全国ワーストクラスとなっています。更には令和元年に房総半島台風(最大瞬間風速33.9m/s)と10月大雨(24時間降水量248mm)に相次いで見舞われるなど、環境や気候変動への危機感が高まり、令和5年に気候変動対策準備室を設置。令和6年4月1日に気候変動影響及び適応に関する情報の収集、整理、分析、提供、技術的助言を行う拠点として「佐倉市気候変動適応センター」が設置されるに至りました。市町村単位での設置は7例目とのことで、非常に珍しいと言えます。

気候変動という地球規模の課題に対応するため、国立環境研究所や千葉県気候変動適応センターとも連携しているほか、市民への還元施策としては里山の保全のために開発が頓挫して虫食いになっていた土地を市で購入して「佐倉里山自然公園」を整備するなどの取り組みが推進されています。特に興味深かったお話は「田んぼダム」について。雨天時に田んぼの排水管を延長して通常より10cm程度水位が上昇させることで、田んぼ30haで30,000㎥が一時的に貯水できるという仕組みです。堤防を作らずして田んぼというリソースを活かして防災に繋げるという考え方には強く感心させられました。

市町村単位では完結しない課題であるとはいえ、それぞれの市町村が共に歩みを進めていかなければならない気候変動への対応。佐倉市によるいち早い挑戦に注目するとともに、桐生においても同様の視点での取り組みが可能かどうか、引き続き佐倉市の取組みに学んでいきたいと思います。