楽しくなければ学校じゃない。夢みる小学校

昨日は桐生商工会議所にて行われた映画「夢みる小学校」上映会&菌ちゃん先生こと吉田俊道さんの講演会に寄らせていただきました。午後からの公務のため、午前中の映画上映のみの参加でしたが、目から鱗が落ちる思いで、参加して本当に良かったと思います。

映画「夢みる小学校」は以前に前橋シネマハウスでも上映されており、その時からずっと見たいと思っていた作品でした。今回念願の初視聴となります。この作品は私立の「南アルプス子どもの村小学校」を中心とした独自の教育を行っている学校に密着したドキュメンタリー映画です。子どもの村小学校には定期テストも、通知表もなく、先生もいません。見守る大人も学校の一員として上から目線の指導はなく、日々のカリキュラムも子ども達と大人が一緒に考え、入学式も卒業式も運動会も文化祭もみんなで考えてやりたいことを形にしていきます。子ども達は日々、自分の好きなことを探求していく中で、必要となった計算式を解き、歴史を調べて自らの意思で学びを深めていく。決して勉強を放棄している訳ではなく、高校進学後は皆さん優秀な成績を残しているそうです。上映会後にご講演いただいた本作のオオタヴィン監督は「子ども達は高校に行くと楽だと言っています。だって、解き方を教えてくれるから」と語っていました。子どもの村小学校の子ども達は自ら課題を捉え、解決できるまで失敗を繰り返し、本物の知識を習得している。その感覚が身についていれば、単純な記憶の勉強は簡単なことなのかも知れません。

通知表も定期テストもない。そんな学校は現実的ではないと思われるかも知れませんが、映画に中にはいくつかの公立学校も登場し、通知表や定期テストがない公立学校も各地に存在していることがわかりました。しかも、そうなってからの方が成績が伸びているそうです。学習指導要領でも通知表を出さなければいけない根拠はなく、地域や保護者の理解があればこのような学校の運営方法は夢物語ではないのだと希望を感じます。

子ども達の「好き」や「やりたい」を潰さない学校の在り方、学校が「嫌々行く場所」ではなく「楽しい」場所に転換していくことが、全ての子ども達を平等に受け入れることができる学校像へと繋がっていきます。映画「夢みる小学校」に登場する各学校のようになっていくことは簡単ではありませんが、コミュニティカレッジとして地域住民と学校運営を話し合い、理想の小学校像を捉えていく中で、各地で「夢みる小学校」が出来上がっていくことが理想的なのではないかと感じました。この映画を多くの方に見ていただき、この想いを共有出来たら本当に嬉しく思います。

最後に、今回の企画に関わられた全ての皆様に心より感謝申し上げます。ありがとうございました。