夢をかたちに。築地銀だこ誕生物語

14日は新春講演会として、「築地銀だこ」の運営会社株式会社ホットランドの佐瀬守男社長のお話をお聞きする機会をいただきました。

高校生の頃、マクドナルドやケンタッキーなどのファストフード店が大好きで、日本のファストフードを作りたいという夢を持った佐瀬社長。25歳で焼きそば屋を創業し、初日の売り上げが300円からのスタートでした。アイスキャンディの工場に億単位の投資をするも失敗。高速SAでのじゃがバターがヒットするも虚しさに駆られ撤退。成功と失敗を繰り返しながらも関東ではマイナーだった「たこ焼き」に注目し、今から25年前に銀だこ1号店のアピタ笠懸店のオープンにこぎ着けます。

その後は順風満帆化と思いきや、東京1号店の成功から1年で100店舗以上の出店すると、長﨑屋とマイカルが倒産して窮地に陥り、タコの高騰やSNSでの中傷、震災、新型コロナなどなど、苦難の連続。ドラマでもこんなにたくさんの試練は用意していないだろうというくらい大きな荒波にもまれ続け、普通の人間なら諦めてしまうポイントは山ほどあったのだろうと思います。でも諦めなかったからこそ今の「築地銀だこ」の成功、確固たる地位があるのでしょう。その原動力の一つは「夢」です。今回のお話を聞き、佐瀬社長が日本のファストフードを作るという夢を追い続け、そこがブレなかったからこその現在地があるのだと感じました。普段は成功者としての輝かしい佐瀬社長の姿をテレビや新聞で見ていますが、そこに至るまでの過程をお伺いすることができ、まるで一本の長編のドキュメンタリーを見たような感覚でした。そして、自然とこみ上げるものがありました。

ほっとできる場所やほっとした商品を提供したいという思いを表現した「ホットランド」という社名を大切にしているという佐瀬社長。居酒屋がない街で自殺率が高くなってしまった事例などをお話ししながら、ほっとできる場所の重要性について熱く語っていたのがとても印象的です。

要約すると「ほっとできる場所の数=街の豊かさ」といったイメージでしょうか。

佐瀬社長は現在、桐生の街の再生にも取り組んでくれています。桐生の街が「ほっとできる場所」で溢れたら、桐生そのものが文字通り「ホットランド」になるのかも知れない。壮大な夢かも知れませんが、不思議と実現させてしまうのではないかと感じさせてくれる、そんなポジティブさが佐瀬社長の大きな魅力なのかも知れません。

今回の講演を聞いたメンバーが、それぞれの立場で起業精神に火を付け、桐生の街に大きな変革を生み出してくれることを心から楽しみにしています。そして、私もその一端を担えれば幸いです。

お忙しい中お時間を割いてくださった佐瀬社長に心から感謝申し上げます。