伝統を受け継ぐということ。工藤将成さんの鍛刀場を訪問

29日に足利市の末吉利啓 議員とともに、桐生市梅田町にある刀匠 工藤将成さんの「将成鍛刀場」に寄らせていただきました。工藤さんは埼玉県ご出身で、独立する際に祖母のご実家という縁で梅田の地に鍛刀場を構えられました。全国で刀鍛冶は200名弱とのことで、現在では身近に刀鍛冶がいるということ自体が貴重なことだと言えます。

地元小学校の授業に協力したり、桐生市内で採れた砂鉄を使った刀づくりに取り組んだりと、桐生との縁を大切にした活動にも積極的に取り組む工藤さん。11月3日まで開催中の神業ミュージアム(ギャラリー禅林)には、タレントのヒロミさんが工藤さんの鍛刀場で刀作りを体験して完成した刀が展示されており、桐生から刀の魅力を各方面に発信してくれています。ぜひ会期中に訪れてみてください。

そしてお隣の足利市はというと、名刀「山姥切国広」ゆかりの地として刀を通じたまちおこしに取り組んでおり、桐生と足利で刀を通じた連携が図られると相乗効果が高いのではないかと感じているところです。日本遺産では既に連携している桐生と足利、刀を通じた連携にも期待したいですね。

今回、工藤さんの作業の様子も見学することができました。道具と材料に向き合い形のないものから形を作っていく、一つ一つの動作に無駄がなく、凛とした姿に感動すら覚えます。職人さんが黙々とものづくりに取り組む姿を見ているのが好きだった幼い時の記憶が蘇り、時間を忘れて見学をさせていただきました。

職人の世界の鍛錬の深さ、精神性、刀鍛冶の伝統を守っていく上での苦労など、様々なことを学ばせていただき、改めて桐生で工藤さんが鍛刀場を構えて活動いただいている価値を再認識した次第です。桐生産の砂鉄から作られる刀の完成を楽しみに待ちたいと思います。

追伸 9月11日の一日限定で桐生新町の街づくりを担った大野八右衛門の太刀「御蛇丸」の特別展示が決定しました。桐生にお目見えするのは8年ぶりです。ヒロミさんの日本刀と工藤さんの日本刀を加えた三振りが有鄰館・酒蔵に同時展示される予定となっています。ぜひこの機会をお見逃しなく。