織都、綺羅を飾る。伝統を未来に繋げる建築の提案

14日、15日の2日間、桐生駅のエキナカシェアショップ「オーライ」にて開催された、法政大学院建築学専攻 小堀哲夫研究室 鈴木秀太朗さんによる卒業設計展『織都、綺羅を飾る』に寄らせていただきました。見学と合わせてインスタライブにも出演。鈴木さんの桐生市への想いや、今後への展望などを楽しく語り合うことができ嬉しく思います。
高崎市出身の鈴木さんは、ファッションに興味があることから、繊維産業の盛んな桐生市を卒業設計のテーマに選んだとのことです。会場に展示された模型では、実在する鋸屋根工場の敷地を想定しながら、二重螺旋構造の回廊でアトリエなどの空間と空間を結ぶ大胆な計画を提案しています。一見複雑に見えるけれど、メインの導線は一つ。通路にはハンガーにかかった洋服が並び、単なる通路ではなく生産工程を巡りながら完成品(作品)とも出会うことができる。常設の「オープンファクトリー」に「ファクトリーショップ」の機能を合わせたような、地域に開かれた工場建築といった印象を受けました。まさにBtoCへの転換期を迎えている桐生の繊維産業が目指していくべきコンセプトです。

見る方向によっても全く印象が違うこの建物。模型を見れば見るほど発見があり、ついつい時間を忘れて見入ってしまうような大作だと思います。今回のプランがそのまま既存の工場に導入されるというよりは、桐生を拠点に活動したいクリエーターやアーティストの受け皿となるアトリエアパートのような提案が一番しっくりくるのではないかとも感じました。
今回、桐生をテーマに素晴らしい提案をしてくれた鈴木秀太朗さんにあらためて感謝申し上げたいと思います。そして、法政大学 小堀研究室の皆様には、これをご縁に桐生をフィールドとした研究活動を続けていただけたら嬉しいです。






