令和2年度 決算の認定についての討論
9月17日に閉会となった桐生市議会 令和3年 第3回定例会では、毎年9月議会に上程される前年度の桐生市 歳入歳出決算の認定について、3日間の決算特別委員会を設置して重点的に議論が交わされました。
昨年までの2年間、予算特別委員会及び決算特別委員会の委員長を務めていた関係で、久しぶりに委員としての質疑の機会。これまで貯めていた分という訳ではありませんが、各分野に渡りたくさんの質疑をさせていただきました。
決算特別委員会についてはケーブルテレビでの放送のため、インターネットでの録画配信は見られませんが、15日の本会議における決算討論に会派を代表して立たせていただきましたので、動画を共有させていただきます。
https://youtu.be/gUVn-8Y8vbY?t=2082 (桐生市議会YouTube)
なお、決算討論の大要については以下に記載します。
「議案第69号 令和2年度 桐生市 歳入歳出決算の認定について」の賛成討論
令和2年度の決算においては475億3000万円の一般会計当初予算に対して、歳入 約626億6,000万円となり、150億円を超える増額という結果となりました。これは新型コロナウイルス対策に伴う補正予算を反映したものであり、そのほとんどが国の地方創生臨時交付金を活用した事業に充てられたものと理解しております。このように、これまでの決算と単純比較して評価することが難しい中ではありますが、経常収支比率や、財政力指数などの財政分析指標を見るといずれの数値も改善傾向と読み取ることができます。市税が1.3%減となるなど、自主財源については引き続き厳しい状況が続くものと予測するところでありますが、そのような中でも財政分析指標が改善されたことは、市職員の皆様の日々のご努力の賜物であり、心より感謝申し上げるところでございます。
ここからは、個々の事業について取り上げさせていただきます。
まず、令和2年度は体育施設等を中心に、公共施設整備が過渡期を迎えた年度でもありました。公共施設の統廃合は避けて通れない喫緊の課題でありますが、「公共施設等総合管理計画」につきましては、みどり市との調整等を行うため、個別計画の策定を令和2年度から令和4年度に延期することが確認されました。個別計画は身近な施設の存廃にかかわり、市民の皆様にとっても特に関心の高い計画であることから、できる限り早い段階での公表を望むところであります。
続いて「市民活動推進事業」につきましては、早朝の清掃活動など、市職員の皆様が積極的にボランティア活動に取り組んでいただいていることを確認させていただきました。市民活動応援サイト「ゆいネット」に関しても、今後の在り方について協議がされていることが確認できましたので、SNSの積極的な活用など、今後のボランティア募集・マッチングの在り方の改善に期待申し上げます。
続いて、バス交通対策事業に関しまして、令和3年2月からの新里町デマンドタクシーの赤城駅・大間々駅への町外発着点の増設により、一定の需要が生まれていることが把握できました。黒保根町デマンドタクシーも含め、住民の皆様からは医療機関にドアtoドアで移動をできるようにしてほしいという要望を多数いただいております。今後の桐生厚生総合病院や、東邦病院などの医療機関への乗り入れについても、地域住民の声に耳を傾けた研究・検討を切に願うところです。
続いて、長寿センター等事業について申し上げます。令和2年度全体としては、残念ながら感染症拡大防止の観点で通年休館となった訳でありますが、新型コロナウイルス感染症の収束の後、速やかに施設が再開できるよう、適切に管理を行っていただいていることが確認できました。休館により、ただ立ち止まるのではなく、この機会に今後の長寿センターの在り方をいま一度見直し、将来あるべき姿の検討をする好機と捉えた上での、改革推進を強く望みます。
不法投棄等防止事業におきましては、渡良瀬川、及び桐生川流域の河川敷で多発しているBBQゴミの不法投棄に対して、桐生市が関係各所と連携を図りながら対策を進めていただいている現状を確認させていただくとともに、荒木市長からも、解決に向けた強い想いをお伺いすることができ、たいへん心強く思います。清流と、緑に恵まれた山紫水明の地である桐生の良好な環境を維持するため、引き続きのご努力をお願い申し上げます。
有害鳥獣捕獲事業におきましては、CSFに対する防疫の意味も含め、より重要性が増してきております。令和2年度においてはイノシシ・シカを中心に着実に捕獲実績が上がっていることを確認させていただきました。捕獲隊の担い手の確保、また農林畜産事業者の皆様への被害を最小化するためにも、有害鳥獣の捕獲を担う各猟友会等への更なる支援強化をお願い申し上げます。
街の賑わい創出におきましては、空き店舗活用型新店舗開設・創業促進事業補助金により、新たに11軒の新店舗が開設されたことが確認されました。商店街におきましても、着実に店舗が増え、新たな賑わいに繋がっていることを実感しております。アフターコロナを見据えた観光振興策としては、新桐生駅の売店及びレンタサイクルの再開が望まれるところでありますが、桐生商工会議所と連携し、早期の再開に向けた取り組みの推進をお願い申し上げます。
続いて、教育であります。放課後子供教室の拡大や、本市初の小中一貫校である黒保根学園の開設準備など、新たな取り組みが進展した一方で、学校運営においてはコロナ禍による休校や授業内容の変更など、様々な制約を強いられた年度でありました。GIGAスクール構想によるタブレットの整備が進んだ一方で、運用面では課題も多く残ります。今後の教員のスキルアップや負担軽減、子ども達へのきめ細やかな対応など、教育現場のデジタル化が進んだからこそできる改革の進展に期待申し上げます。
最後になりますが、令和2年度において、国の地方創生臨時交付金を活用した事業を除き、一般会計当初予算に計上されていた事業のみで考えると、予定通り実行されなかった事業も多く見られました。どの事業も重要なものであると理解いたしましが、一方でコロナ禍の中で半ば強制的に事業を止めざるを得なかった、変更せざるを得なかったからこそ、見えてきたもの、例えばより重要性が改めて認識された事業であったり、やり方を変更したことにより効率化できた事業、更に申し上げると中止や変更をしても大きな支障がなかった事業などもあったかも知れません。コロナ禍で立ち止まるのではなく、各事業の在り方がより良い方向に変革をするための好機と捉えていただき、この状況からこそ見いだせる視点を最大限活かしながら今後の事業執行に努めていただきますようお願い申し上げます。
以上を申し上げ、議案第69号 令和2年度桐生市歳入歳出決算の認定につきまして賛意を示させていただきます。なお、議案70号 令和2年度 桐生市水道事業会計未処分利益剰余金の処分について、議案71号 令和2年度 桐生市 水道事業会計決算の認定について、及び議案72号 令和2年度 桐生市 下水道事業会計決算の認定についても同様の趣旨で賛成させていただきます。