桐生女子高校跡地は角川ドワンゴ学園、桐生南高校跡地はオープンハウスが取得へ。

2021年4月の県立学校再編整備により使用されなくなった桐生女子高等学校及び桐生南高等学校跡地を利活用する事業者を、公募型プロポーザル方式により選定していた群馬県は8月11日に結果を公表。桐生女子高等学校跡地は学校法人 角川ドワンゴ学園(山中伸一 理事長)が、桐生南高等学校跡地は株式会社オープンハウス・ディベロップメント(福岡良介 代表取締役)がそれぞれの優先交渉権者として選定されました。
公募型プロポーザル方式とは公募で事業者を選定する際に、複数の事業者に企画を提案してもらい、その中から最も優秀な事業者を選定するという手法です。群馬県では両校の跡地について、地域住民の生活環境を保全したうえで、交流・関係人口の増加や定住・移住の促進、雇用創出、地域振興、住民の健康増進、青少年の育成等に資するべく、民間事業者等の創意工夫に満ちた幅広い提案を募集し、学校跡地の有効利活用を実施する事業者を選定するとこととし、事業者による企画提案を募集していました。今後、両事業者は事業内容に応じた各種法律手続きを進めていく形となります。
それぞれの事業内容は下記の通りです。


・桐生女子高等学校跡地(桐生市梅田町一丁目185-1)
事業者名(学)角川ドワンゴ学園(山中伸一 理事長)
提案の概要旧桐生女子高等学校跡地を活用し、通信制の私立高等学校を設立する。
・桐生南高等学校跡地(桐生市広沢町3丁目4193)
事業者名(株)オープンハウス・ディベロップメント(福岡良介 代表取締役)

提案の概要旧桐生南高等学校跡地を活用し、テレワークオフィス、宿泊施設、スポーツ研究、スポーツ振興等の事業を展開する。
桐生女子高校を活用する角川ドワンゴ学園は在校生数日本一で知られる通信制高校 N高等学校(沖縄県うるま市)や姉妹校のS高等学校(茨城県つくば市)を運営する学校法人で、ニコニコ動画等を提供するIT企業ドワンゴと、出版社KADOKAWAがネットと通信制⾼校の制度を活⽤した「未来のネットの学校」の開校を目指して設立しました。2016年にN高等学校開校しています。N高等学校とS高等学校の2つの本校の他、全国にキャンパスやスクーリング会場を多数有していますが、今回は大規模な廃校の取得となることから3校目の本校設置を目指すものと思われます。校名の表記はアルファベットでの「〇高等学校」となるのでしょうか。桐生女子高校の校舎に再び学生が登校する姿が見られるようになることを楽しみに待ちたいと思います。
桐生南高校を活用するオープンハウス・デベロップメントは総合不動産業大手の株式会社 オープンハウス(荒井正昭 代表取締役社長)の子会社で、太田市(旧薮塚本町)出身の荒井社長は同校の卒業生でもあります。今回の事業では、スポーツ振興事業を軸にテレワークオフィス・宿泊施設・スポーツ研究に活用する提案となっており、現在荒井社長が会長を務めるB.LEAGUE所属のプロバスケットボールチーム「群馬クレインサンダース」や、球都して知られる桐生市にちなんだ野球などのスポーツを通じた地域振興施設となることが予想されます。


各地域で廃校跡地の活用が課題となる中で、桐生市内の高等学校跡地2校の活用方針が決定したことは大変喜ばしいこと。ともに大手企業による先鋭的な提案であることから、2校の跡地から桐生に新たな風が吹くことが期待されます。今後の動向に注目しましょう。