ゆっくりズムのまち桐生

本日は桐生地域地場産業振興センターにおいてシンポジウム「未来の環境と健康の集い『ゆっくりズムのまち桐生』の宣言 ~ポストコロナの時代に向けて~」が開催されました。

『ゆっくりズムのまち』の宣言とは、桐生市がこれまで低速電動コミュニティバeCOM-8(通称:MAYU)の活用などで蓄積してきたノウハウを基に、スローモビリティなどを活用した環境に優しいまちづくりを実践し、地域課題を解決していこうと言うもので、桐生市が全国で初めて宣言するものとなります。

桐生市では平成20年より、群馬大学を中心とした JST(国立研究開発法人科学技術振興機構)プロジェクトによりeCOM-8が構想され、平成23年に初号機が完成するに至りました。低速電動バスeCOM-8は、全国に先駆けて「スローモビリティ」の概念を作り上げた先進的な車両であり、平成30年に国土交通省が定義した「グリーンスローモビリティ」の中心的な車両として注目を集めています。現在では、桐生市で生産された低速電動バスが全国各地で運用されている状況です。

私が委員長を務めさせていただいている、桐生市議会 総務委員会では6月10日に「公共交通に関する提言書を提出」させていただきましたが、その中では低速電動バス eCOM-8に関する項目を設けさせていただき「eCOM-8を活用した社会実験で得られた地域内交通機関としての成果・効果をしっかり検証し、市内においてeCOM-8を公共交通機関と位置付けた利用方法の拡大を図ること。また、『スローモビリティの先進地』として模範的な活用方法を提案していくための各施策について、積極的に取り組むこと。」について要望させていただいた経緯があります。今回、このような形での宣言に繋がり、市長をはじめとする関係者の皆様のご努力に心より感謝申し上げる次第です。

今回のシンポジウムには「ポストコロナ時代に向けて」という副題が付けられています。冒頭の群馬大学 宝田恭之 先生による解説にありましたが、この宣言は単にゆっくりと行動するということではなく、新たな社会構造を見据えた大きな動きの中での第一歩となるものです。本日の宣言にあたっては、eCOM-8を導入しているみどり市、大分市からも祝電を頂戴いたしましたが、この「ゆっくりズムのまち」の宣言が全国に広がり、スローモビリティの活用事例を共有していくネットワークが出来上がっていくことを期待しています。

なお、以下に宣言文を記載します。

『ゆっくりズムのまち』の宣言
~スローモビリティ・スローライフ~

私たちは、スローモビリティなどを活用した環境にやさしいライフスタイルやスローライフを心掛けるまちづくりを推進し、地域課題の解決をはじめ、ゆっくりした時間の中で人と人がふれあう機会の創出、地球温暖化の防止、持続可能な未来社会の実現に向け、『ゆっくりズムのまち桐生』を宣言します。

令和2年11月29日
桐生市長 荒木 恵司
桐生市環境先進都市将来構想推進協議会 会長 宝田 恭之