桐生に活かすべき2つのポイント

桐生市議会 公共施設のあり方等調査特別委員会の行政視察2日目となった本日は三重県桑名市にお伺いさせていただきました。視察内容は「桑名市公共施設等総合管理計画と公共施設マネジメント」です。

桑名市は三重県の北東部、木曽三川の河口にある城下町で、平成16年に1市2町で合併して人口約14万人の都市となっています。近鉄名古屋線や、JR関西本線、東名阪自動車道が通る交通の要所であり、名古屋市からは約20分と近く、ベットタウンとしての性質も持っています。長島温泉を中心とした全国有数のレジャー施設「ナガシマスパーランド」も有名です。

桑名市における公共施設マネジメントお取り組みにおいては、平成27年6月に桑名市公共施設等総合管理計画が策定・公表されています。全国の自治他の中でも計画策定は最も早い時期です。計画の中では今後50年間で、総量(延床面積)の内、33%の削減することを目標に掲げ、現在計画に沿った公共施設の削減を進めています。

桑名市の取組みのなかで特徴的な部分を申し上げますと、一つ目は市役所駐車場の民間移管です。元々、市役所の駐車場は有料の立体駐車場と無料の平面駐車場が混在しており、年間で維持管理費が280万円かかっていました。そこで、平成31年よりタイムズ24による駐車場運営を開始し、全ての駐車場が有料化され、維持管理費はゼロとなり、貸付料収入が年間1,296,000円入るなど大幅に状況が改善したとのことです。市役所利用者の駐車料金は無料であるとともに、これまで午前8時から午後8時までの営業時間だった駐車場が24時間営業となり、また月決め利用も開始されたことにより大幅に利便性が改善しました。これは桐生市の各公共施設でもたいへん参考になる手法だと思います。

二つ目の特徴的な取り組みはサウンディング型市場調査の積極的な導入です。特に、施設を解体せず現状のまま売却しているところに桑名市の特徴があると言えます。例えば、廃止された下水処理場の施設を解体せず現状のまま売却し、約4.7億円と試算されていた解体費用を市は負担せず、入札によって5,005万円の収入が市にもたらされました。購入された業者さんは建売住宅の業者であり、建物も含めた販売利益を計算して購入したのだろうとのことです。

今後、桑名市役所の使用していない庁舎についても、サウンディング型市場調査を通じて民間事業者を募り、民間による解体を前提に土地を貸し出す方法にも取り組んでいくとのことでした。桐生市においても既に使用していない建物については現状のままでの売却や、解体費用を織り込んだマイナス入札(市が解体に見込まれる一部費用を払って売却)も含めて、積極的な処分を検討していくべきだと強く感じます。

桑名市で行われている市役所駐車場の民間への移管、サウンディング型市場調査の積極活用、何れも公共施設マネジメントにおいて重要な視点となります。昨日の焼津市の事例も含め、桐生市に活かせる視点は積極的に提案をしていきたいと思います。

本日お世話になりました、桑名市役所の皆様、桑名市議会の皆様に心より感謝申し上げます。