東武桐生線の特急列車 普通料金のみで乗車可能に

6 月 22 日(金)に桐生市議会 6 月議会が終了いたしました。今議会、 21 日(木)の本会議一般質問におきまして「東武桐生線の特急料金無料化社会実験」について質問をさせていただき、翌日の上毛新聞と桐生タイムスともに一面記事としてその内容を掲載していただきました。

概要といたしましては、群馬県が今年度の事業として東武桐生線の特急料金の無料化社会実験に取り組むというものです。今年度の県の一般会計当初予算において 776 万円が計上されており、現在その実験方法について東武鉄道・群馬県・沿線市(桐生市・みどり市・太田市)で協議が進められています。

この社会実験により、ほとんどの時間で普通列車が毎時 1 本、特急列車が毎時 1 本、おおむね1 時間あたり 2 本の列車が運行されている桐生線において、これまで通学や通勤の定期、または普通乗車券のみでは利用できなかった特急列車に 510 円の特急料金を払わずに乗車できるようになります。

この問題に関しましては、昨年 6 月に行われた桐生大学の学生と桐生市議会との「まちづくり討論会」においても、学生の皆さんから「桐生線の本数が少なくて困っている」という切実な声をお預かりしていたところとなります。

これまでの経緯を申し上げますと、昨年の桐生市議会平成 29 年 3 月議会の予算委員会において私から「東武桐生線において特急券が不要となる運用を要望していただくことはできないか。」と質問をさせていただき、市当局から「要望活動の中で盛り込んでいけるかどうか沿線市と検討していきたい。」というご回答をいただきました。その後、 10 月に群馬県議会決算特別委員会において井田泰彦県議が栃木県内での運用状況を例に出しながら同趣旨の質問を行い「県から東武鉄道への働きかけ」を取り付けるとともに、 12 月には桐生市も参加する東武鉄道整備促進期成同盟会において「東武桐生線区間内における普通料金での特急利用について」の要望を実施、本年 3 月には群馬県の当初予算に社会実験の予算が盛り込まれ可決され、正式に実施に向けた予算が確保されることとなりました。これは、群馬県や沿線市の目指す取り組みの方向性が合致するとともに、県議会や市議会での連携が噛み合った結果ではないかと思っています。

平成 28 年度における東武桐生線(桐生市内設置駅)の利用状況を見ると特急列車が 32.9 %、普通が 67.1 %となっています。この数字から桐生線の利用の多くが普通列車ということがわかり、特に学生さんの利用が中心となっていることが想像されます。東武桐生線沿線から太田駅周辺への通勤が一定量ある中で、桐生線沿線から太田駅周辺への交通手段は自動車 80.4 %に対し、鉄道は僅か 1.4 %しかないという数字も出ており、潜在需要がある路線であるにも関わらず、列車本数が利用促進の足かせになっている側面も見え隠れしています。ぜひ無料化の社会実験が実現された暁には、多くの新規利用が掘り起こされ、特急料金の無料化が恒久的な仕組みとなっていくことを期待しています。ぜひ、皆様からも利用という形での後押しをお願い致します。