国宝を目指して。-本日は山上多重塔 建立記念の日-

本日、7月17日は西暦801年(平安時代初期)に山上多重塔が建立された日。この日に合わせて、新里文化財保護協会の主催による山上多重塔建立記念式典が開催されており、今年も来賓や関係者の出席のもと開催されました。

山上多重塔は桐生市新里町山上の西端に位置する古碑の一つであり、僧・道輪によって建てられた供養塔です。国の重要文化財にも指定されています。この山上多重塔の価値は改めて申し上げるまでもありませんが、昭和18年に文化財保護法の前身である国宝保存法の下で旧国宝に指定されたという経緯からもわかるとおり、古くから広くその歴史的価値が認められてきた存在です。

山上多重塔は国内で18例しかない古碑の一つ。県内には4基の古碑が存在していますが、山上多重塔を除く高崎市内の3基(多胡碑、山上碑、金井沢碑)は平成29年に「上野三碑」としてユネスコの世界の記憶に登録されています。しかしながら、山上多重塔の美しい造形やその刻まれたメッセージは上野三碑に引けを取りません。現在、新里文化財保護協会では山上多重塔の国宝指定に向けた部会を作り、機運の醸成に努めているところです。

ここから見る赤城山の眺めも唯一無二のもの。訪れたことがない方には、ぜひこの場所に立って1200年前のロマンを感じてもらいたいと思います。