市役所の仕事納め。来年1月6日からは新本庁舎に

昨日で官公庁が仕事納めとなり、桐生市役所における令和6年の業務も終了しました。これまで使用してきた本庁舎での業務も昨日で最後となり、来年1月6日からは新本庁舎での業務が開始されます。12月22日(日)には新本庁舎の竣工式・見学会が開催され、私も初めてその内部に入らせていただきました。

さて、新本庁舎の整備は、平成31年3月の庁舎整備基本方針の策定に始まり、約7年の歳月をかけてきました。この後も旧本庁舎の解体が始まるなど令和8年3月の外構工事の竣工まで1年ちょっと工事が続くこととなります。

桐生市議会としても、公共施設のあり方等調査特別委員会を設けて、新本庁舎整備ついて報告を受ける中で、その在り方について協議を行い、また予算案などの審議においては活発に協議を行って参りました。旧本庁舎において、本館(昭和40年竣工)、新館(昭和 57 年竣工)さ共に耐震指標を大きく下回り、大規模な地震が発生した場合には倒壊する危険性が高いとされており、新本庁舎整備は避けられない道でありましたが、その整備手法や場所などについては様々な議論がありました。結果的に、議事堂を解体した限られたスペースに、現状の床面積の32%縮減したコンパクトで機能的な六角形の建物を建築した形となります。

新本庁舎の整備費用は約101億6,000万円となり、床面積の縮減により分庁となる水道局(約3億3,000万円)と教育センター(約17億5,000万円)も合わせると、合計で約122億4,000万円の費用がかかりました。桐生市からの基金繰り入れは約14億円、また舎合併特例債、緊急防災・減災事業債の活用により、実質的な市の将来負担額は約32億5,000万円と見積もられています。基本設計当初の概算事業費は約90億円(本体工事 約58億円)でしたが、昨今の資材費や労務費の上昇などによりその費用は膨らみ続けました。逆に言うと、スタートが遅れれば更に費用が増加したものと考えられ、合併特例債の期限である令和8年3月までに外構工事まで完了するとなると最後のチャンスであったとも言えます。それが故に、議論を深める余地が与えられなかったことは残念な部分です。

先日の見学会で初めて中に入らせていただいた印象としては、小さいながらも使い勝手が良く、素晴らしい庁舎が完成したという印象です。しかしながら、立派な庁舎があるだけでは市民の役には立ちません。これをどのように活かしていくのかが重要です。荒木市長は挨拶の中で「80年使える庁舎にしていきたい」とのお言葉を述べていらっしゃいましたが、1階の多目的スペースを通じて外部とシームレスに繋がることのできる構造や、駐車場や桜並木、広場を挟んで美喜仁桐生文化会館と対をなすレイアウトなどを活かしながら、単なる行政庁舎としてだけでなく、市民の皆様の交流の場や賑わい創出の空間として最大限活かしていくことが大切なのではないかと思います。そして、計画当初から指摘させていただいておりますが、ランニングコストなど、将来負担についてもしっかりと試算していただき、この新本庁舎がもたらす財政的な価値も明確にすることで、広く市民の皆様のご理解を得られ、親しみを持ってもらえる庁舎に育てていけたらと考えております。

なお、新しい議場は4階となります。2月下旬からは来年度の予算審議も含まれる定例会が開会しますので、ぜひ多くの皆様に傍聴にお越しいただけたら幸いです。