イベントから日常に。目指すべき商店街の姿を見た気がした歩行者天国
12月7日(土)は本町通りを車両通行止めにして「歩行者天国 車道で遊ぼう!(主催 UNIT KIRYU)」が開催されました。本町5丁目交差点からコロンバス通りまでを実に7時間も車両通行止めにして、歩道で運動会やミュージカルワークショップ、高所作業車への乗車体験、自衛隊車両展示などなど楽しい企画が盛沢山の一日。昼過ぎまで人出が途切れることなく、久しぶりに商店街に賑わいが戻ったように感じます。
本町通りは桐生八木節まつりでも歩行者天国になるのですが、通行止めは正午からで、酷暑厳しい8月の開催となることから実は人が出始めるのは15時を過ぎから夕方にかけての時間帯。昼間にホコ天でこれだけ人が歩いているのは初めて見る光景かも知れません。
でも、決してすごい人出でごった返したという訳でもなく、程よい人の波が一日続いたといった印象です。なんだかそれがとっても印象的で、これが日常だったらこの通りでもっといろんな商いが成立して、自然と仕事や人やものが集積していくのだろうなと感じます。
コロナ前だと商店街がイベントをやって、一時の賑わいを作ってという繰り返しが続いてきた訳ですが、コロナ禍を経てイベントのやり方が変わって、商店街のあり方が問われている時代です。一人でお店を回している店舗も増えてきており、商店街でイベントをやるために理事が駆り出されてお店を閉めなければならない、結果的に自分達の商売がおろそかになってしまうという本末転倒なこともこれまではありました。今回のイベントは賑やかしのところはUNIT KIRYUの皆様が担ってくださり、本六商店街では来店者へのプレゼントや桐ペイの抽選会など、あくまでも販促に徹した企画を立てました。その結果、どうだったのかという部分はこれから検証していかなければいけませんが、少なくとも私が店頭スタッフをしていた「まちなかテレビ」では普段以上に多くの皆様にご来場いただくことができ、大きな手ごたえを感じることができました。
商店街に関わって十数年となりますが、実はこうして一日店頭に立っていたのは初めての経験かもしれません。通り過ぎる人たちとお話をしたり、ダーツ体験の呼び込みをしたり、人通りがあればそこにコミュニケーションやビジネスが生まれます。私は自分のお店の前から見える範囲の景色しか見られていませんが、商店街の各店舗を多くの方が利用していた様子が印象的でした。
イベントは人を呼ぶためのもの。そこからお店に入ってもらう、商品を買ってもらうのはそれぞれのお店の活動となります。そもそも人が歩いていなければ、呼び込みもできませんし、目的のお店に直行直帰して終わりです。今回の実証実験的な歩行者天国の光景は「かつての商店街の姿」であったのかも知れませんし「目指すべき商店街」の姿なのかも知れないと感じました。
そんな不思議な気持ちを感じさせてくれた今回のイベント。これがイベントではなく日常になるためには何をしたらよいのだろう。答えが少し見えたからこそ、新たな課題を提示されたようにも感じた、そんな一日となりました。この度の企画に関わってくださった全ての皆様に心より感謝申し上げます。