隣町の政策に学ぶ。地方自治研究会in足利市

昨日は2011年当選組の地方自治研究会の研修会にお誘いいただき、私は2015年当選組ですが参加してきました。研修内容は「スクランブルシティスタジオの取り組みについて」と「足利市観光協会の取り組み(足利灯り物語)」についてとなります。

はじめに伺ったスクランブルシティスタジオは足利競馬場跡地に令和元年に設置された渋谷駅前スクランブル交差点を完全再現したオープンセットです。3つの映画の撮影のために市有地に民間が設置したセットを市が譲り受けて、現在では指定管理で民間会社が運営貸し出しをしています。これまでの撮影本数は実に78作品。1日の借り上げ料は80万円で市にはスタジオ運営会社から毎年700万円の収入が入っています。毎年30本以上の撮影がある旧足利西高校の校舎も合わせて「9割9分以上が東京の制作会社であり、東京のお金が足利に落ちて大きな経済効果がある」とのことでした。足利市では平成26年度の「バンクーバーの朝日」の撮影をきっかけに映像のまち推進課を発足させて撮影の誘致を進めています。近年ではスクランブルシティスタジオや旧西高校の一般公開イベントを行ったり、ロケ地カードを作ったりと、観光に結び付けたり、市民の足利愛醸成にも役立てるなど、様々な相乗効果が生まれていることを確認させていただきました。足利市と桐生市は隣接しており、同時にロケが行われる作品も多数あります。聖地巡礼やロケ地カードなど、足利・桐生で連携できる部分をぜひ模索してみたいと感じたところです。

続いて訪れたのは史跡足利学校及び鑁阿寺とその周辺で11月12日まで開催されている「足利灯り物語」です。この取り組みは足利市観光協会を中心とした実行委員会が行っているもので、市からは800万円ほどの補助金が支出されています。特徴はそのチケットで、500円のチケットを購入するとメイン会場の足利学校と鑁阿寺に入場できるほか、300円の金券にもなっており周辺の商店でお買い物をすることができます。普段は夜に営業しているお店はほとんどないそうですが、期間中は多くの商店が協力して夜8時まで営業時間を延長して、来場者に声をかけながら「足利しゅうまい」や「おしるこ」「焼きたてのお煎餅」などを販売している様子が印象的でした。2会場の間の導線となる通りにも足利銘仙の柄がプリントされた行灯が並び、夜のまち歩きを楽しく演出してくれています。毎日、行灯を通りに並べる職員の皆さんの手間は相当なものがあるとは思いますが、この辺りの仕掛けづくりはとても参考になると感じました。また、メイン会場となる足利学校の灯りはイルミネーションで有名な「あしかがフラワーパーク」がプロデュースしており、光と音の演出は圧巻でした。3年目のイベントとのことですが、これからもっと広く知られていくイベントになっていくだろうと感じます。

足利市内にはあしかがフラワーパークや足利学校、ココファームワイナリーなど、多くの観光名所がありますが、宿泊の観光客が少ないことが課題となっています。そこで、足利市では夜景に力を入れており、夜も滞在してもらえるコンテンツ作りを目指すなかで、今回視察させていただいた「足利灯り物語」の開催にも繋がっているようです。観光客が宿泊してくれないという課題は桐生市も同じです。足利学校と桐生市の絹産業遺産はどちらも日本遺産になっており、ぜひこちらでも足利・桐生で連携して宿泊滞在型の観光の提案を目指していければ思います。

貴重な機会をいただきました、足利市の皆様、また今回ご設営をいただいたご当地の金子市議、末吉市議に心より感謝申し上げます。