有害鳥獣対策実施隊と鎮魂祭
8日は桐生市より委嘱を受けている鳥獣被害対策実施隊のパトロール活動に参加させていただきました。
私が有害鳥獣問題に関心を持ち狩猟免許を取得したきっかけは、地域を回るなかで出会ったお婆ちゃんからの切実な言葉でした。そのお婆ちゃんは中山間地の一軒家に独り暮らし。山に囲まれた土地に柵を巡らせて小さな畑を必死に守っています。でも、どんなに守っても野菜がイノシンに食べられてしまう。そして、もしイノシンに襲われてしまっても誰にも気付かれず、助けに来てもらえないと不安な気持ちを話してくれました。
人間も野生動物も命あるもの。共存していくためには、動物の特性を知り、住み分けていく努力をすることが大切です。有害鳥獣対策というとどうしても駆除というイメージが強いですが、単純な駆除を望んでいる猟師はおらず、常に現場には葛藤があります。
猟師というのは命に感謝し、全てを無駄にすることなく命を頂戴するというのが本来の姿です。そんな最も命の大切さを知るはずの猟師が、有資格者であるという理由で有害鳥獣駆除を担うようになったのはここ15~20年ほどの話。その最前線で対応に当たる皆さんはたいへん辛い思いをしていると感じます。
今回、パトロール後に箱田宮司をお招きしての鎮魂祭が営まれ、猟友会員全員で鳥獣の魂に祈りを捧げました。