築15年のアーケードとリノベーションまちづくり。桐生商店連盟 視察研修旅行in新潟市
11月20日(水)は桐生市の中心市街地の商店街が加盟する桐生商店連盟の視察研修旅行で新潟県新潟市を訪問させていただきました。新潟市は本州の日本海側最大の人口を有し、平成の大合併で80万人規模の政令指定都市へと飛躍しました。
新潟市の中心街が古町といわれるエリアで白山神社を起点に古町通1番町から13番町まで続く長い商店街があります。今回主に視察させていただいたのは1番町から4番町までの上古町商店街です。なお、5番町から7番町までの区間にはアーケード街ふるまちモールが広がっており、8番町から9番町を中心とするエリアは花街を起源としており歓楽街が広がっています。
上古町商店街の特徴は何といっても2009年建築のアーケードです。近年ではアーケードの維持が困難で撤去する流れが全国的に多い中で、築15年というのは全国的に見ても新しい部類に入ると思われます。振興組合の発足も2006年と新しく、実質アーケードを建て替えるために作られた振興組合となっています。
今回はまちづくりの拠点として整備された複合施設である「上古町の百年長屋SAN」に寄らせていただき、商店街の理事の方ともお話しすることができました。商店街全体の特徴として昔ながらの間口が狭く奥が長い長屋の区割りが多く、その使い勝手の悪さから逆にリノベーション物件が多く立ち並ぶようになり、新しい経営者と老舗が混在する街になっていったそうです。イベントやエリアリノベーションなどのソフトの実績が評価されて、アーケードの建替えに当たっては9割ほど補助金で賄うことができたとのことでした。
新潟市は80万人規模の都市ですがその市域が広く、百貨店が撤退するなど桐生市同様に中心市街地の地盤沈下が著しい状況にあります。更に上古町は市街地の端にあたり、集客にも厳しい立地と言えそうです。その商店街がアーケードを新設したということは大きな決断であり、商店街全体で一致団結して取り組んだことが伺えます。現に、今回の視察の中では長屋等のリノベーションで誕生したカフェや雑貨店などを多数見学させていただき、そのエネルギーを感じ取ることができました。
アーケードは雨や雪の日が多い日本海側では集客に必要な機能なのかも知れません。そして、桐生市では夏場等の強い日差しを避ける上でも大切な役割を担います。全国各地の商店街でアーケードの存廃が議論されている中、上古町商店街の事例は非常に参考になるもので、その手法などについてもより詳細に調べてみたいと感じました。今回は訪問できませんでしたが、新潟市には他にも沼垂テラス商店街などの取り組みが注目されており、ぜひ再訪してその事例に学び桐生市での取り組みに活かしていきたいです。