どうする長寿センター。1日の利用者4名の衝撃。6月議会ダイジェスト③
6月30日に閉会した桐生市議会 令和5年度第2回定例会(6月議会)の中で私が質問した内容の一部をシリーズで紹介しています。ダイジェストの最後となる3つ目は、6月29日に行った一般質問の後半で取り上げたテーマ「長寿センター等」についてです。

長寿センター等とは、桐生市内にある高齢者向けの入浴とコミュニティ機能を持った施設です。高齢者の外出機会を創出し、健康増進や地域のコミュニティの場としての役割を持ち、市内で美原・川内・境野・東の各長寿センターと、広沢老人憩の家、ふれあいホーム、新里福祉センターの合計7施設が設置されています。
今回の一般質問では、新型コロナウイルス感染症が拡大した令和2年度からは全面休館となってきたこと、新型コロナが感染症法上の2類相当から5類へ見直された本年5月8日以降も予約制や定員制など一定の利用制限が続いていることについて議論をさせていただきました。市民の皆様からの通常利用再開を待ち望む声を踏まえ、早期の再開を求めるとともに、施設のあり方について抜本的な見直しをしていく必要があるのではないかとの投げかけです。
なお、清掃センターの余熱を利用した施設である新里福祉センターにおいては設備の不具合の関係で5月より休館となっていることから、早期の修繕について要望するとともに、現状の調査状況等についても確認をさせていただきました。
そして、ここからが大きな問題です。各長寿センター等7施設における、コロナ禍前の利用状況と、直近の利用状況についてお伺いしたところ、下記のような衝撃的な状況となっていることが確認できました。

【長寿センター等の利用状況(5月の1日平均)】
美原 長寿センター H30年度 42人/R5年度 14人
川内 長寿センター H30年度 52人/R5年度 15人
境野 長寿センター H30年度 48人/R5年度 15人
東 長寿センター H30年度 49人/R5年度 20人
広沢老人憩の家 H30年度 16人/R5年度 4人
ふれあいホーム H30年度 33人/R5年度 6人
新里福祉センター H30年度 133人/R5年度 0人※
※新里福祉センターは設備の不具合で休館中
特に広沢老人憩いの家の4人、ふれあいホームの6人という数字は衝撃的と言うしかありません。利用制限により利用しにくい運用となっていることを考慮したとしても、果たして1日平均の利用者が4~6名の施設を公費で維持していく意味があるのでしょうか。元々一日100名以上の利用があった新里福祉センターなど、通常使用再開が待ち望まれる施設もありますが、極端に利用者が少ない施設は廃止や統合の早期検討が必要だと考えます。
幸い桐生市内には民間の入浴施設も多数ありますので、そういった民間施設の利用券の配布やタクシー券の配布などにより、市が施設を持たなくても今までと同様のサービス水準(またはそれ以上)を維持することも十分可能です。現に、市の施設を廃止して水沼駅温泉センターに委託をしている「黒保根町高齢者リフレッシュ事業」もたいへん講評を得ている上に、大幅な経費削減にも繋がっています。長期的な視点に立つ中で「民間施設なども活用しながら高齢者の皆様の居場所づくりがバランス良く進められていくことが望ましいのではないか」という問題定義を行い、一般質問を終えました。


