学校図書のネットワーク化

昨日は関東若手市議会議員の会 千葉ブロックの研修会で千葉県袖ケ浦市に寄らせていただきました。袖ケ浦市は千葉県のほぼ中央、東京湾に面した臨海工業都市です。人口の増加に伴い平成3年に町から市に移行し、現在の人口は約6万人となっています。

視察のテーマは「袖ヶ浦市の読書教育」です。私は数年前から小学校での読み聞かせに参加させていただいており、個人的にも関心の高いテーマです。

袖ケ浦市では「何を学ぶか」から「どのように学ぶか」に転換するという視点で、読書を通じた教育に力を入れています。強化しているポイントとしては「もののネットワーク」「人のネットワーク」「情報ネットワーク」の3点。公立図書館と学校図書館の図書を管理するシステムをつくり、学校にない資料も図書流通システムによって取り寄せることができます。また、司書教諭や読書指導員の配置、検索用PCの整備、教材貸出システムなどにより、図書を活用しやすい環境整備もなされており、平成17年度にはそれらを管理する学校図書館支援センターが設立され、各学校の図書館を支援しているそうです。

これらの活動の結果、図書の貸出冊数は小学校で一人当たり6.0冊(平成7年)から62.6冊(平成29年度)、中学校で一人当たり1.3冊(平成7年)から17.5冊(平成29年)に増加したとのこと。実に10倍以上の成果が出ています。

今回私が注目した点は、各学校間、また学校と公共図書館が相互に図書を貸借している点です。図書の移動は外部委託で費用は年間49万6千円、平成15年には5万冊が移動しており、一冊当たり10円未満で移動ができている計算となります。図書の移動は週一回(年間43回)往復巡回方式で行っているそうです。また、市立郷土資料館の所蔵資料や総合教育センターの教育教材も図書流通システムにのせて、各学校で活用できる仕組みが整っています。職員さんの労力をかけるのではなく、移動を外部委託とすることで低コストで合理的に運用ができ、さらに各学校で大量の資料を共有できるという仕組みは素晴らしい視点だと感じました。

桐生市の中央図書館は現在、老朽化で建て替えも議論にのぼっています。図書館の再整備を検討する中において、全小中学校とのネットワーク化も含めた検討をしていくことで、桐生市の教育がより充実するのではないかと感じました。今後、桐生市の図書資料の現状も調べていきたいと思います。

最後に、有意義な研修を設営していただいた千葉ブロックの皆様に心より感謝申し上げます。