公共施設の在り方を問う。決算委員会

9月7日から9日までの3日間、桐生市議会 決算特別委員会が開催され、20時間弱を割いての令和3年度 桐生市歳入歳出決算の認定、および水道事業会計決算の認定、下水道事業会計決算の認定などについての集中審議が行われました。

昨年度の一年間の桐生市のお金の使い方を問う重要な特別委員会となります。市役所当局も市長・副市長・教育長から、部長・課長・係長級まで総出で臨む貴重な審議の機会。議会側は正副議長と監査委員を除く全員の19名が参加していますので、発言時間には45分の制限があります。

分厚い決算書と事務事業報告書を連夜読み込み、聞きたいことが山積みで委員会を迎えましたが、2日目の時点で残り10分を切ってしまい、質問の内容を会派の中で調整しながら3日間の審議を終えさせていただきました。限られた時間の中での審議、最大限有効に使えるようバランスを図ることは何度やっても難しいと感じます。

【公共施設の在り方について】

さて、私の質疑内容は多分野に渡りますが、桐生タイムスに取り上げられた公共施設に関する議論を紹介させていただきます。それは桐生市境野町にある「し尿処理場」に関する議論です。令和3年度における桐生市とみどり市の搬入量の比率はどのようなものであったのか、桐生市・みどり市の搬入量はどのように推移しているのか質疑いたしました。

その結果、年間搬入量は令和3年度で桐生市が1万1999㎘で35.72%、みどり市が2万1598㎘で64.28%となっているとの答弁でした。令和2年度は桐生市37.79%、みどり市62.21%でしたので、みどり市からの搬入割合が年々増加していることがわかります。

し尿処理場に関しては桐生市・みどり市との間で委託・受託の関係にある施設です。実際に令和3年度においては搬入量の割合に応じて、みどり市からは2億3921万円の受託料を受け取っています。確かにし尿処理場の所在地は桐生市でありますが、大きな需要は明らかにみどり市側にあるもが事実。受託料をもらっているとは言え、管理するのは桐生市の職員であり、これは同じくみどり市から受託している消防・清掃センター・斎場についても同様のことが言えます。

今回はし尿処理場に関して、最も使用量の多い自治体が維持管理するのが通常の考え方であるということを基に、施設の在り方の検討として、みどり市に移管して、逆に桐生市が委託するといった方法は可能なのか、またそのような可能性の検討は行っているのかをお伺いいたしました。

その結果、桐生市としては現在みどり市との間で設置している「桐生みどり未来創生会議」において共同事業の今後の在り方について協議しているとの答弁。つまり、具体的な結論までにはまだ時間がかかりそうな情勢といえます。

桐生市においては公共施設等総合管理計画の個別計画(公共施設の縮減に対する具体的な計画)について、みどり市との調整が必要という立場を取っています。一方で、みどり市は昨年3月に既に個別計画を策定していることから、桐生市に委託している各業務についてみどり市が自前で公共施設を整備をしようとする想定はされていないということも一つの客観的な事実です。

桐生市とみどり市は生活圏を共にする一つの地域であり、そこに2つの自治体が存在しています。どちらか一方が不利益を得ることのないよう、互いにバランスをとって負担の均衡化を図り、将来にわたって持続可能な公共施設の在り方を地域全体で議論をしていくべきです。そのような前向きな議論が桐生市とみどり市の間で忌憚なく行われることを切に願っています。