日本遺産ウィークin桐生がスタート

皆様は日本遺産をご存じでしょうか。日本遺産とは、シンプルに言うと世界遺産の日本版であり、地域で継承・保存されている建造物や遺跡、景観、お祭りなどを「構成文化財」としてまとめ、それらを通じて日本の魅力を伝える「ストーリー」全体を認定するものです。この「ストーリー」でまとめられているところが一般的な文化財と異なる部分で、複数の構成文化財で構成されることから、文化財保護というよりも地域活性化を目的とした側面の強い認定制度となっています。
2015年4月24日、群馬県内の構成文化財13件からなる日本遺産「かかあ天下―ぐんまの絹物語―」に認定され、その内6件が桐生市の文化財です。現在、日本遺産には104件が認定されており、桐生市の構成文化財は初年度に認定された18件の内の一つに数えられます。


この度、日本遺産「かかあ天下―ぐんまの絹物語―」や市内にある日本遺産構成文化財の魅力を知ってもらうためのイベント「日本遺産ウィークin桐生 かかあ天下―ぐんまの絹物語―」が開幕しました。昨日は、そのオープニングを記念して両毛地域で日本遺産に認定されている3自治体である館林市、足利市、桐生市の3市長によるパネルディスカッションを実施。また、パネルディスカッションに先立っては桐生祇園囃子保存会による演奏も行われ、久しぶりに感じる桐生祇園の響きに気持ちが高鳴りました。


今回パネルディスカッションのコーディネーターを務めたのは高崎商科大学の熊倉浩靖 特任教授。熊倉教授いわく「日本遺産そのものは単独の市町村や複数自治体が連携した枠組みがあるが、異なる日本遺産を持つ隣接する3市が連携している取り組みは文化庁も想定していなかった初めての動きである」とのことです。桐生、足利、館林の三市の連携の進展による交流人口の増加やシビックプライドの醸成に期待したいですね。


荒木 桐生市長からは赤城山を頂点に3市と日光・富岡正市場を結び、弓矢の形で周遊観光ルートの構築をしてはどうか、早川尚秀 足利市長からは東武鉄道を活用した周遊観光について、多田 館林市長からは「りょうもう3都物語」として売り出していってはどうかなど具体的な提案が多数挙がり、時間が足りないほど有意義なディスカッションになったと思います。ぜひ今回出されたアイデアを具現化し、継続した連携に繋げていっていただけたらと願っています。
ちなみに「日本遺産ウィークin桐生」は2月13日(日)まで開催中となります。ぜひ期間中に有鄰館にお立ち寄りいただき日本遺産の魅力に触れてみてはいかがでしょうか。


「日本遺産ウィークin桐生 かかあ天下―ぐんまの絹物語―」
【日程】
令和4年2月5日(土曜日)~2月13日(日曜日)※2月7日(月曜日)は休館
時間:10時~16時(最終日は15時30分まで)
【会場】
有鄰館(住所:群馬県桐生市本町二丁目6番32号)
【内容】
1.館林市、足利市、桐生市の3市連携パネルディスカッション
2.桐生祇園囃子保存会による演奏会
3.「伝統ある街・桐生」絵画コンクール作品展示
4.「伝統ある街・桐生」絵画コンクール表彰式(中止)
5.桐生織物協同組合による服飾工芸品展示販売
6.桐生市内構成文化財との共催イベントなど
7.日本遺産関係市町村等による観光PRや物産販売などのブース出展
8.日本遺産「かかあ天下ーぐんまの絹物語ー」パネル展示・映像上演など