豚熱(CSF)の影響でイノシシ激減か?一般質問より

12月17日の桐生タイムスに私が16日に行った一般質問の内容が掲載されましたので、概略をご紹介させていただきます。
今回の私の一般質問では3件のテーマについてそれぞれ質問をさせていただきましたが、記事でご紹介いただいたのは「有害鳥獣対策の担い手の確保について」の議論をさせていただいた中でのやり取りです。
イノシシや鹿などの有害鳥獣の問題に関しましては、農作物などへの被害に留まらず、近年では豚熱(CSF)ウイルスを媒介して広めてしまう恐れからも、イノシシ等の野生鳥獣が人里に近づくことそのものに警戒感が高まっていると言えます。今回は有害鳥獣対策に従事する若手人材を確保していくためにという視点で、質問をさせていただきました。
その中で、新里猟友会で鳥獣被害対策の活動をさせていただいている私自身の実感として、昨年と今年では明らかにイノシシの頭数が少なくなったと感じていることから、現状の確認の意味で桐生市内の有害鳥獣捕獲数の傾向についてお伺いさせていただきました。
昨年度と今年度で比較したイノシシと鹿の捕獲頭数(11月末時点)について確認させていただいたところ、令和2年度でイノシシが701頭、鹿が343頭、令和3年度でイノシシが115頭、鹿が433頭との答弁をいただきました。鹿は微増という状況の一方で、イノシシは約1/6となり激減と言ってもいい状況です。


この数値についての分析について重ねて質問をさせていただいた結果、群馬県による傾向の分析として「イノシシへの豚熱感染が確認された地域とイノシシの捕獲頭数が減少している地域が重なっていること、時期も当初発生した西部から東部に移ってきていることから豚熱が大きな要因と推察される」との見解が示されました(答弁の内容はメモに基づくものですので、詳細は議事録の公開をお待ちください)。
仮に、群馬県の分析の通り豚熱の影響であるとすれば、イノシシの減少そのものは防疫的な観点では良い傾向なのか、それともイノシシで流行が広がっていることの裏返しであり危険な状況なのか、更なる詳細な分析が急務だと感じます。再び農場における豚熱の感染拡大、全頭殺処分の悲劇を繰り返さないためにも、防疫の観点も含めた詳細な分析をお願いさせていただきました。
本来、命を無駄なくというのが狩猟の姿。正しい知識を理解し、人と野生動物とが適切な距離を保てるよう、若手の担い手も確保しながら対策に努めていきたいと思います。