一般質問ダイジェスト
9月17日、一般質問に登壇させていただきました。詳細な議事録や録画映像は議会HPに後日アップされますので、ここでは質問の概要等を簡単に説明させていただきます(質問の内容の一部が17日の桐生タイムスに掲載されています)。
最初の件名では「レスポンシブル・ツーリズム(責任ある観光)について」お伺いさせていただきました。レスポンシブル・ツーリズムは、アメリカのハワイ州で提唱され、広く知られるようになった言葉となります。多くの人数が移動し、大量に消費をする観光から、受け入れる側が旅行者の人数や質を管理し、旅行者にも責任ある行動を求めていこうという考え方が醸成されていきました。つまり、旅行者が地域の歴史や自然、地域の考え方を理解し共有することで、持続可能な観光を目指してということです。
今回は、コロナ禍の日本において注目されるレスポンシブル・ツーリズムの取り組みについて、栃木県那須塩原市の取り組みを起点にしながらお伺いをさせていただきました。ちなみに、那須塩原市では「コロナ禍における観光のあり方」における「信頼」の観点から、旅館・ホテル等の宿泊施設従事者のPCR検査を実施し、観光客並びに宿泊施設従事者の「安心・安全」を担保し、観光客にも一定の責任(費用負担)を求めるというレスポンシブル・ツーリズムを推進しています。
一般質問の中では、コロナ禍での市内観光産業の現状についてや、ポストコロナを見据えるなかでの観光振興について、及びコロナ禍で注目を集める自然観光の現状や課題について、市の考えをお伺いさせていただきました。
また、具体的なレスポンシブル・ツーリズムの取り組みの一つとして、ココヘリ(会員制捜索ヘリサービス)の導入についても提案。「ココヘリ」は「会員制捜索ヘリサービス」であり、有料の会員になると、識別番号をもった電波発信機が貸与されます。キーフォルダータイプの非常に小さな発信機となっており、電波の受信距離は最大16㎞、1回の充電で約2~3ヶ月間電波を発信し続け、万が一利用者が山で遭難し、行方不明になった場合、その山域へ提携の捜索ヘリが飛び、電波をキャッチして正確に位置を特定し、救助組織に引き継ぐという仕組みです。遭難者の居場所から電波を長期間発信し続け、 捜索する側が「探し出せる」仕組みという面では、現状選択できる唯一の手段となっています。ちなみに、群馬県警のヘリコプターにも受信機が搭載されているそうです。今回の質問では、桐生市を訪れた方に「ココヘリ」を1日単位で貸し出す仕組みを作ることを提案させていただきました。
ご答弁としては、市は登山は自己責任とのスタンスで慎重な見解でした。ぜひ来訪者と意図的に接点を持つ観光のあり方を確立していっていただきたいと思います。
2つめの件名は「定住促進について」となります。ここでは、 桐生市におけるコロナ禍での定住促進の現状についてや、移住定住に向けた農地の取得下限面積の引き下げについて、新里町での地域おこし協力隊導入について、及び特定地域づくり事業協同組合制度について、それぞれお伺いをさせていただきました。
こちらのご答弁では、コロナ禍で移住の相談が増えていることや、新里町への地域おこし協力隊の導入について、前向きに研究いただける姿勢を確認することができました。今後の具体的進展に期待するところです。
現在、ポストコロナを見据えた中においては、観光施策や移住・定住施策など、様々な分野において価値観の転換を求められている最中だと思います。今後の政策決定の過程においては、感染症の収束を期待して待つだけではなく、コロナ禍であるからこそ桐生が強みとしていける部分を伸ばしていく視点が非常に重要です。桐生にしかできない、桐生の強みを活かしたWithコロナのまちづくりの進展を図ってまいりたいと思います。