赤城山の黒保根ルート活性化に向けて

本日は桐生から赤城山に登ろう会の利平茶屋登山道の修復作業に参加させていただきました。かつては赤城山のメインルートであった黒保根ルートは、昭和32年の赤城登山鉄道(ケーブルカー)の開業によって活況を呈しますが、赤城南面の前橋側ルートの道路整備により急速に衰退。昭和42年に休止、翌年廃止と10年の短い営業を終えています。赤城駅(旧 新大間々駅)の名前は赤城登山の玄関口の名残として今も残っています。

そんな、かつてのケーブルカーの黒保根側の起点である利平茶屋駅があった場所は現在、桐生市営の利平茶屋森林公園としてキャンプ等で市民に親しまれています。しかし、ここから赤城山に登るルートは決してメジャーとは言えない状況です。

今回、利平茶屋森林公園からの登山道を一部補修しながら、旧赤城山頂駅下のケーブルカー線路跡地まで登らせていただきました。岩場も少なく歩きやすいことに加え、移り行く景色も素晴らしい登山道だと感じます。

課題としては四つ。一つ目は登山道の案内が統一されておらずわかりにくいこと。二つ目は公的管理が行き届いていないこと。三つめは利平茶屋森林公園までの公共交通がわかりにくいことも含め、ルートの知名度が低いこと。四つめは赤城登山鉄道跡地の文化財としての価値の確認と保存についてです。

赤城登山鉄道の旧赤城山頂駅舎(現サントリービアホール)は2018年に国の登録有形文化財に登録されていますが、2019年の豪雨ではサントリービアホールから登山道へと繋がる旧線路脇の階段が崩落しており、現在このルートの通行は難しい状況です(別のルートの登山道は確保されています)。

このルートの知名度を上げていくためには、登山道整備と利平茶屋森林公園の魅力向上、そして旧利平茶屋駅のプラットホームも含めた旧赤城登山鉄道の遺構を保存することにより産業遺産観光の魅力を加えることも鍵になってくるのではないかと感じています。