予防から理解へ。 認知症との向き合い方の転換期。

本日は訪問看護ステーション花あかりの村井達彦さん主催の第1回「認知症になっても笑顔で暮らすことのできる町づくりセミナー」に参加させていただきました。

現在、日本国内の認知症の人数は推計439万人と言われているそうです。高齢者の4人に1人、 85才以上は約半分、95歳以上は約8割りが認知症と言われていることから、としを重ねれば誰でも認知症となると考えることができます。 認知症となる最大要因は年齢を重ねることであり、 認知症予防という考え方もありますが、認知症になっても幸せに暮らせるまちづくりが大切で あると改めて感じました。

認知症になった本人は自分の認知機能の低下を正確に理解できません。それが周囲とのトラブルの原因になり、やがて社会参加の障害となってしまいます。

群馬大学 山上徹也 准教授のお話しのなかで認知症の解決策が示されていました。認知症は自尊心が傷つき役割を失う病気であり、対人関係が壊れてしまう。認知症を解決するためには対人関係を再構築し、役割を取り戻し、自己肯定感を高めていくことが必要である。つまり、本人が治療をして完治する病気ではなく、周り方が認知症を正しく理解し、認知症の方の自尊心が傷つかないように接してあげることでしか解決できないのです。

群馬医療福祉大学 山口智晴先生のお話しの中では、認知症は進行性の神経変性疾患で根本的な治療法方法はない。症状そのものと戦おうとすると本人も家族も辛い思いをしてしまう。周囲の関わり方や環境が変わるだけで、本人の認知機能が変化しなくても「できる」様になる、というアドバイスをされていました。

2025年には高齢者の5人に1人が、2040年には小学生の人数の2.5倍の人数が認知症またはその予備軍となるそうです。家族が認知症、隣の人が認知症というのは当たり前の世界が目前に迫っています。今回のセミナー主催の村井さんは、認知症があっても皆が協力して楽しく幸せに地域で暮らしていける町をつくるため、新里町で認知症に関わる団体・医療機関・地域・住民などのネットワーク構築を目指しているそうです。

新里町を先行モデルとして、認知症が当たり前となる近未来の日本の「あるべき姿」を発信していけたら嬉しく思います。