3日間の決算特別委員会。成果の確認と次への課題を検証

9月1日から3日までの3日間、桐生市議会では決算特別委員会が開催され、令和7年度の一般会計・特別会計、水道事業会計、下水道事業会計などについて集中審議を行いました。決算審査は、単に「どのように予算を使ったか」を確認するだけでなく「その支出によってどのような成果が生まれたのか」「次年度以降に向けて改善すべき点は何か」を検証する大切な機会だと捉えています。今回、私からも幅広い分野について質疑を行わせていただきました。主な内容を抜粋してご報告します。

まず、新本庁舎整備によるランニングコストの削減についてです。昨年1月の新本庁舎・水道局・教育センターの供用開始後、初めて通年での実績が出たことから、光熱水費などの削減効果を確認。現在の単価で比較すると、年間約1,600万円の削減効果があったことが確認できました。新庁舎整備には多額の費用がかかっていますが、建物を長期間使用していく中でランニングコストがどれだけ縮減されるのかも、整備効果として市民の皆様にしっかり示していく必要があります。

続いて、今年1月から交通系ICカードが利用可能となった上毛電鉄における、その効果について確認。導入後の利用者数は前年同月比で1月113.8%、2月116.3%、3月113.9%と増加していることが確認できました。私自身も日々上電を利用していますが、利便性は大きく向上したと実感しています。費用と利用・収入増加の効果を継続的に検証していただくようお願いをさせていただきました。

新桐生駅~桐生駅~西桐生駅~群馬大学を結んだ低速電動バスMAYUの実証運行については、大学生を中心に一定の需要が確認された一方、定時定路線の公共交通としては課題も残ったとのことでした。MAYUと同型の低速電動バスは桐生市内で生産されており、全国各地で既に交通インフラとして社会実装されています。桐生では15年以上走り続けながら、いまだ「乗り方が分からない」「乗ったことがない」という声があるのも事実。国が提唱するグリーンスローモビリティを象徴する存在だからこそ、実証実験からもう一歩踏み込み、地域内交通としての日常利用や車両更新も含め、具体的な将来像を示していく時期だと考えています。

続いては地域電子通貨の「桐ペイ」についてです。桐ペイは人口1人当たりの登録店舗数が0.0084店と、県内他市の0.004~0.005店を上回っており、地域に定着して大きな成果を上げていることが確認できました。一方「スマホからクレジットカード等でチャージできないか」という声については、3.5%程度の手数料が課題となり、現状では導入が難しいとのことでした。今後は特に利用率の低い若年層への普及に力を入れるとのことで、日常的にさらに使いやすい地域電子通貨となるよう、今後のアップデートにも期待しています。

キノピーランドについては現在お休みとなっている祝日の開館について確認させていただきました。令和7年度の利用者は15,360人で、前年度の15,010人から増加。1区分当たりでは平日37人に対して土日は82人と、休日の需要が高いこと確認。保健福祉会館内の「tsukurun KIRYU」は祝日も開設されていることから、猛暑などで屋内遊戯施設の重要性が高まる中で人員配置などを工夫しながら祝日開館ができないか検討を求めました。

保健衛生関係としては、不妊不育症治療への支援について確認。前年度と比較して不妊治療費助成の利用者は61人から67人、不育症治療は1人から3人へ増加。一方、市内には体外受精などが可能な医療機関がなく、市外への通院が必要となっています。交通費助成については県外なら1万円、県外の隣接市では2,000円となる一方で、県内の医療機関は遠方でも支給対象とならないなど、実際の通院負担とのズレが生じる可能性を指摘させていただきました。子どもを望む家庭を支えるため、医療機関へのアクセスや情報提供も含め、より実態に即した制度への改善を期待しています。

農林振興関係では、梅田ふるさとセンターについて質問。新たな指定管理者となって2年目となり、令和5年度と令和7年度を比較すると、来場者は24,818人から35,457人へ、売上は約2,331万円から約3,769万円へ大きく伸びています。梅田地区には梅田湖、ロウバイパーク、キャンプ、釣り、サイクリング、登山など多くの地域資源があることから、ふるさとセンターに観光情報・飲食・物販・休憩・体験予約などを集約し、「梅田観光の入口・ハブ」として機能させていくことを提案しました。

体育費関係では「球都桐生」について成果を数字で検証できる事業としていくべきと提案しました。球都桐生プロジェクトでは、イベントやモニュメント、歴史館、ウェブサイトなど様々な事業が展開されている一方、現時点では事業効果の測定やKPIの設定は行っていないとのこと。多額の寄付金を活用し、職員の皆さんも多くの労力を割いて取り組んでいる事業だからこそ、「どれだけ人を呼び込んだのか」「どんな経済効果や交流人口の増加につながったのか」など、成果を数字で見える化し、積極的に情報発信をしていくことが重要だと考えます。また、「球都」を野球だけにとどめず、様々なスポーツに取り組む子どもたちを応援する仕組みに広げる観点から、現在は全国大会出場で6,000円となっているスポーツ文化参加奨励金について、近隣市と条件を合わせる中で関東大会への支給なども含めた拡充を提案しました。

最後は地元新里の話題です。空調設備や屋根、トイレなどの大規模改修が行われた新里社会体育館の利用状況について確認。比較可能な4~7月では、利用者数が令和7年度5,881人から令和8年度6,961人へ増加しました。中学校関係者からも空調整備を評価する声が寄せられているとのことで、学校体育、地域スポーツ、そして災害時の拠点という観点からも、合併特例債を活用して一連の整備を実現していただいたことに改めて感謝したいと思います。

3日間の決算審査を通じて、成果が数字として表れている事業がある一方で、事業を「実施したこと」で終わらせず、その効果を測定し、次の改善につなげていく必要性も改めて感じました。限られた財源をどのように使い、それが市民生活や地域の将来にどのような成果をもたらしたのか、今回の審査で確認・提案した内容を、今後の予算要望や一般質問を通じた提言に繋げてまいります。