民主主義とは。石丸伸二さんのからの投げかけ

本日は都知事選の選挙戦最終日。私は特定の候補を応援する立場にはありませんが、石丸伸二さんとのご縁について少し触れさせていただきます。

2022年4月、全国若手市議会議員の会の研修会として、広島県安芸高田市の石丸伸二 市長(当時)の講演を聞かせていただきました。研修会を設営するきっかけとなったのは、2020年9月に届いた「広島の安芸高田市長になった石丸伸二くんは、ぼくと○○の友人だよ」というメッセージから。送り主と会話の中に登場する○○さんとは地方や日本全体の再興をテーマにした勉強会でご一緒してきた縁で十数年のお付き合いがあります。

(いい意味で)とても面白いお二人の共通の友人が市長になったということで、きっと石丸さんも面白いことをやってくれるだろうと期待していたところでした。その後、否が応でも見聞きするほど全国区の話題となり、安芸高田市政の動き、市長の一挙手一投足がニュースやワイドショー、新聞等で連日のように報道されるようになったのは皆様ご存じの通りです。

直接お話を聞いて感じたことは、石丸市長(当時)は一つ一つ意味を持って判断を下し、自ら行動されているということです。決してメディアで報道されていることだけでは見えてこない、故郷・安芸高田市の未来に対する課題意識や使命感が日々の言動に集約されているということを強く感じました。「市政における民主主義とは」これがこの時に私が受け取った宿題です。

石丸さんの強みは何と言ってもディベート力。しかしながら、私はSNSで流行り(?)の論破することを善とするディベートは好みではありません。少なくとも地方行政においては多様な価値観を許容しながらも、より良いビジョンを掲げて賛同を広げ、最大公約数を見出していくことが一つの正義だと考えています。それは自治体の規模が小さくなればなるほど重要です。小さなコミュニティの中で「白か黒か」「勝ちか負けか」を求めることは、敗れた側が村八分になりかねない危険性をはらんでいます。自治体の規模が小さければ小さいほど政治における社会的排除を生まないための配慮を尽くさなければなりません。

そういった意味で、石丸さんの市政運営に危うさを感じることも多々ありました。しかしながら、その類まれなる発信力で広く世間一般の関心を集めたのは紛れもない事実。現に今回の都知事選では政治に関心のなかった層や、政治に初めて触れる若い世代に石丸さんの言葉が強く響き、大きな波が生まれています。石丸さんが投げかける言葉一つ一つが注目され、それが政治への興味関心に繋がっていく。その点に関して非常に大きな期待を感じているとともに、今回の選挙がどのような結果になるのかたいへん興味深く、その結末に注目をしている次第です。