都市計画専攻の理系市長に学ぶ。MAYUの姉妹車両オニスロも。全国若手議員の会 研修会in北海道
北海道登別市にて「全国若手議員の会 研修会in北海道」が開催され、7 月 8 日(月)の一日のみですが参加させていただきました。
基調講演は若手議員の会のOBでもある室蘭市の青山剛 市長で「20年の政治活動を経て感じたこと」と題して、スライドを一切使わず引き込まれる話術でこれまでの経緯や政治信条、今後の展望などについて熱く90分間語っていただきました。
青山市長は札幌市出身で室蘭工業大学への入学を期に室蘭へ移り、室蘭工業大学工学部助手を経て25歳で室蘭市議会議員選挙に出馬し初当選(トップ当選)。2期目務めた後、2011年の室蘭市長選挙に無所属で出馬して当選し33歳の若さで市長に就任されています。現在は46歳の若さで市長4期目の任期中です。
若くして市長になられたこと自体も珍しいのですが、青山市長は室蘭工業大学で都市計画を専攻していたという経歴を持ち、市議時代には工学博士を取得されるなど、全国的にも貴重な理系の市長でもあります。私も大学まで建設工学の都市計画分野を学んだ身として、たいへん誇らしく感じた次第です。
講演の中では「チェックばかりをしている議員は伸びていかない」「先を見越してそれをどうやって具現化していくかが大切」といったアドバイスや自治体同士による「個人の経済的支援の競争になるのはナンセンス」「個人ではどうにもできない保育所や福祉などの施設に対しての公的な支援は大切」など、国・都道府県・市町村での役割分担の在り方について問題定義されていたことが印象的でした。昨今の市民サービスの都市間競争をあおる風潮が好ましくないと感じている私としても、たいへん共感したところです。
今回その詳細についてはお伺いできませんでしたが、室蘭市は他の自治体に先駆けて水素政策に力を入れていることで知られており、ぜひこの点についてはまた別の機会に深くお話をお伺い出来たらと考えております。
第二部では「多様性ある議会にむけた改革」として、早稲田大学マニフェスト研究所「議会改革度調査ランキング」で2年連続の全国1位を達成している登別市議会の辻 弘之 議長にお話をお伺いしました。辻議長は若手議員の会の現役会員でもあります。
誰のための議会改革かの投げかけのもと、多様性ある議会に向けて改革を推進している登別市議会。住民自治の根幹として議会を養えるか、表層的な「女性のため」「若者のため」になっていないか、など確信をついたご指摘をいただくとともに、「多様性」が地方を強くする、議決機関としての能力を高めるためにといった「目的」を強く意識した改革を推進してきたこと、そしてそれらによって住民の意識も変わってきていることなどお伺いし、議会改革に対するビジョンを持って、諦めずに住民に投げかけ続けていくことの大切さを改めて痛感した次第です。
なお、登別市は温泉でも有名ですが、登別温泉ではMAYUと同型の低速電動バス「オニスロ」が運行されており、この車両は桐生市のシンクトゥギャザー様で生産されたもの。このことを登別市 小笠原春一市長にお話しさせていただいたところ「ぜひとも桐生市にお伺いしたいですね」と言ってくださいました。グリーンスローモビリティで繋がる登別市と桐生市のご縁が、今後どこかで広がっていくことを期待しております。ありがとうございました。