地場産業を活かす3つのポイント

本日は関東若手市議会議員の会 公式研修in栃木で宇都宮市大谷地区へ。言わずと知れた大谷石の産地です。

旧帝国ホテルの建材として名を馳せた大谷石の産地である大谷地区は、昭和50~60年代にかけて産業としても観光としても華やかや時代を迎え、観光客は120万人を数えました。その後は石の産出も観光も低迷期に入り、東日本大震災の年には観光客は17万人まで減少しています。しかし、そこからV字回復をして現在の観光客は60万人を越えるまでに。そこにはどんな要因があったのでしょうか。

一つ目は若手による新しい価値の創造です。空き店舗などをリノベーションしたお洒落なお店や、雨水の貯まった採掘場跡地を地底湖に見立てたボート探検アクテビティの開発など、若手の参画により様々な新しいアイデアが導入され、活気が増しつつあります。

二つ目として、新たな産業の創出です。大谷石の採掘場跡地に貯まった雨水は年間を通して10℃に保たれています。夏には外気温より冷たく、冬には暖かい水が一年を通して利用できることから、この水を冷熱エネルギーとして利用し、付加価値の高い夏の苺「大谷夏いちご」を生産しています。現在は20棟のハウスがあり、今後は共有のポンプを整備して100棟のハウスを新たに誘致する計画とのことです。

三つ目は地場産業がまだ受け継がれていること。ピーク時の120社からは激減しましたが、まだ7社が大谷石を採掘しており、地域を代表する産業が脈々と受け継がれています。

我が桐生市の地場産業とは全くジャンルは違いますが、取り組むべきことは同じだと感じます。①新しい価値の創造、②新しい産業の創出、③地場産業の継承、この3つが揃えば大きな産業構造の変革を前提とせずとも、街の再興を目指していけると思います。桐生市伝統の絹織物のストーリーを大切にしながらも新しい価値を創造していく視点を持ち、攻めの姿勢でまちづくりを推進していくことが大切である。改めてそう感じることができた素晴らしい研修となりました。

設営いただきました栃木ブロックの皆様、たいへんありがとうございました。